こんにちは!採用担当者の皆さん、日々のお仕事お疲れ様です。
ITエンジニアの採用は、技術的な専門性が高く、
こんな悩むを抱えた経験はないでしょう?

面接でどこを見たらいいんだろう…

面接で大切なことって何?

優秀なエンジニアを採用するために、どんなことを意識すればいいんだろう?
こんな風に感じているあなたのために、今回はITエンジニア採用の面接を成功させるための秘訣を、じっくりお伝えしていきますね。
エンジニア採用面接、なぜ難しいと感じるの?
ITエンジニアの採用は、他の職種と違って難しい…
そう感じたことはありませんか?
その背景には、いくつか理由があります。
A. 技術的なスキルの見極めが難しい
まず一番に挙げられるのが、これですよね。
人事担当者さんの中には、ITの専門知識がない方もいらっしゃると思います。

書いてある技術名が全然わからない…

何を聞けばその人のスキルがわかるの?
と戸惑ってしまうことも無理はありません。
B. 市場でのエンジニア不足と競争の激化
ご存知の通り、今はどの企業もITエンジニアを求めている時代です。
優秀な人材は引く手数多で、採用競争は激しくなる一方。
限られたパイの中で、いかに自社に合ったエンジニアを見つけ、惹きつけるかが重要な課題になっています。
C. 変化の速い技術トレンドへの対応
IT業界の技術トレンドは目まぐるしく変わります。
昨日まで最先端だった技術が、明日には古いものになっている…なんてことも。
常に最新の情報をキャッチアップし、自社に必要なスキルを見極めるのは至社としても大変なことです。
これらの悩みを解決するために、これから具体的な面接のポイントを見ていきましょう!
事前準備が9割!面接を成功させるためのファーストステップ
どんな面接でもそうですが、特にITエンジニアの面接では事前準備がとても重要になります。
ここをしっかりやるかどうかで、面接の質が大きく変わってきますよ。
求人票と応募書類を徹底的に読み込む!
まずは基本中の基本ですが、候補者の履歴書や職務経歴書、そして自社の求人票を隅々まで確認しましょう。
- 求人票: どんなスキルや経験を求めているのか、改めて明確に。面接中に「あれ、うちって何が欲しいんだっけ?」とならないように、頭に入れておきましょう。
- 応募書類: 候補者のこれまでのキャリア、担当したプロジェクト、使用してきた技術スタック、そして何より「なぜウチに応募してくれたのか」という志望動機は、面接の質問を考える上で欠かせない情報です。事前に疑問点や深掘りしたい点をメモしておくとスムーズです。
求人票の記載内容については、基本的に読み込むものであるため確認は不要かと思いますが、求職者が求人票のどの部分に好感を抱いてくれたのかまでは事前に考察できていると良いです!
面接官同士の連携プレイで評価のブレを防ぐ
複数人で面接を行う場合は、事前に面接官同士でしっかり打ち合わせをしましょう。
- 役割分担の明確化: 「このパートは私が担当します」「技術的な質問は〇〇さんにお願いします」など、誰が何を質問するのかを明確にしておくと、面接中に質問が重複したり、聞きたいことが漏れたりするのを防げます。
- 評価基準の共有: どのようなスキルや経験を重視するのか、カルチャーフィットはどこを見るのかなど、具体的な評価項目と基準を擦り合わせておくことが大切です。「Aさんは技術力は高いけど、コミュニケーションに懸念があるな」「Bさんは経験は浅いけど、ポテンシャルはすごく高そう」など、後で評価する際に客観的な視点を持てます。
よほど良い人がいてその場で「合格」を出したい場合のアイコンタクトや合図も決めておくとよいでしょう!
【地頭?スキル?】ITエンジニアの能力を見極める視点
さて、いよいよ本題の面接での見極めポイントです。ITエンジニアの場合、「技術力」はもちろん重要ですが、それだけでは足りません。
地頭(じあたま)はどこまで見るべき?ジョブ型採用の視点も交えて
最近よく耳にする「ジョブ型雇用」。これからの時代、ITエンジニア採用においても、このジョブ型という考え方は非常に重要になってきます。
地頭は「素頭の良さ」や「物事を理解する力」「応用力」と捉えることが多いですよね。もちろん、地頭が良いに越したことはありません。特にメンバーシップ型採用では、入社後の教育を前提としているため、地頭の良さは「教育する土壌」として重視されてきました。
ジョブ型採用と地頭・スキル・経験の関係
採用タイプ | 地頭の捉え方 | スキル・経験の捉え方 | 入社後の教育 |
メンバーシップ型 | 入社後の教育効果を高める「土壌」として重視。 | 入社後に習得することを前提とする場合が多い。 | 手厚い教育研修で一人前を目指す。 |
ジョブ型 | ジョブに紐づく特定の能力が突出していればOK。比重が下がることも。 | 即戦力として業務遂行能力を重視。経験も重要。 | 軽いオンボーディングで即業務スタートを想定。 |
ジョブ型採用では、「このジョブ(職務)を遂行するために、どんなスキルや経験が必要か」が明確になります。
つまり、入社後に「即戦力」として活躍できるかが非常に重要になるんです。
「地頭が良い人」を探すのは大変ですし、ただでさえITエンジニアは数が少ない中で、さらに採用のハードルを上げてしまうことにもなりかねません。
私が思うに、ジョブ型採用においては、必ずしも「地頭の良さ」だけを追い求める必要はないと考えています。
- 特定のジョブに特化した能力が突出しているか?
- 求められるスキルや経験が、そのジョブを遂行する上で十分か?
むしろ、この2つの視点の方が重要です。自社が採用強者でない限り、限られたリソースで最大限のアウトプットを出すためには、適所適材で考えることが非常に大切になってきます。
💡ポイント
「このジョブに、この人のどんな能力がフィットするのか?」という視点で候補者を見極めましょう。
スキルはこう見極める!実践的なチェック方法
ITエンジニアのスキルを見極めるには、技術的な知識がない面接官だけでは難しい場合があります。
可能であれば、現場のITエンジニアが面接官に加わることを強くおすすめします。
A. 具体的なプロジェクト経験を深掘りする
候補者がこれまで関わってきたプロジェクトについて、深く掘り下げて質問してみましょう。
- 「どのような役割を担っていましたか?」
- 「どんな課題に直面し、どう解決しましたか?」
- 「その時、どのような技術やツールを使いましたか?」
- 「チーム内での貢献で、特に印象に残っていることは何ですか?」
このように具体的に聞くことで、候補者が実際の業務でどのように考え、行動し、結果を出してきたのかが見えてきます。使用技術についても、ただ知っているだけでなく、「どのように使ったか」まで確認することが重要です。

B. コーディングテストや実技試験で「本当のスキル」を見る
面接時の質疑応答だけでは、「スキルが足りない」と入社後に判明するケースも少なくありません。
そんな時に有効なのが、実技試験です。
- 簡単なコーディング課題: 面接中に数十分程度でできるような簡単なコーディング課題を出してみる。
- 事前に課題を出し、提出してもらう: より複雑な課題であれば、面接前に課題を出し、コードを書いて提出してもらう方法もあります。
C. GitHubなどによるソースコードの提出を促す
最近のエンジニアは、自身で書いたコードをGitHubなどのプラットフォームにアップロードしていることも多いです。面接時にそのURLを共有してもらい、ソースコードレビューを行うのも非常に有効な手段です。
ただし、いくつか注意点があります。
- オリジナルかどうかの確認: 他の人が書いたコードを改修したものや、ネット上のコードをそのまま使っているケースもあります。「自身が一番頑張ったと思えるロジックが記載されているファイルのパス」や「最も大変だったと感じたファイルのパス」などをあわせて提出してもらい、そこを集中的にレビューすることで、候補者本人のオリジナル性や思考プロセスを深く理解できます。
- 技術的なレビューはITエンジニアに: やはり、このレビューはITエンジニアが行うべきです。コードの質、設計思想、可読性などをプロの目で評価してもらいましょう。
D. スキルアセスメントツールの活用
最近では、オンラインでプログラミングスキルなどを測れるスキルアセスメントツールも増えてきています。
海外ではオンライン試験が一般的ですが、その一方で不正行為も多く報告されています。しかし、最近のツールは、画像解析技術で本人確認やPCの操作状況をチェックしたり、経過時間やアクティブなウィンドウ情報などを取得して不審な動きを検知したりと、不正を防ぐための仕組みが非常に進化しています。
日本でもこのようなソリューションは今後さらに増えていくと考えられますので、導入を検討してみるのも良いでしょう。

コミュニケーション能力とカルチャーフィットを見極める
ITエンジニアだからといって、コミュニケーション能力が不要なわけではありません。
特にチーム開発や、顧客との接点がある業務では、円滑なコミュニケーションは必須です。
A. コミュニケーションスタイルの観察とオープンな質問
面接中の会話の中から、候補者のコミュニケーションスタイルを観察しましょう。
- 質問の意図を正確に理解できているか?
- 自分の意見を分かりやすく伝えられているか?
- 相手の話をきちんと聞く姿勢があるか?
また、「当社のカルチャーについてどう思いますか?」「当社で働く上で、どのようなことを期待しますか?」といった、答えが一つではないオープンな質問をすることで、候補者の価値観や考え方、仕事への姿勢などを深く知ることができます。
💡ポイント
「コミュニケーション能力」と一言で言っても、求められるレベルは業務内容によって異なります。
- 主にプログラマ同士で技術的なコミュニケーションが取れれば問題ないのか?
- 非ITエンジニアの顧客との接点が多く、説明能力や調整能力が強く求められるのか?
配属先の業務を具体的に想定し、どこまでコミュニケーション能力を求めるかを明確に定義した上で面接に臨みましょう。これにより、採用後のミスマッチを大幅に減らすことができます。
コミュニケーション能力を求めないレベルの業務を依頼するようにできないかなど社内で調整が必要な場合も出てくるでしょう。
B. チーム開発経験の深掘り
ITエンジニアの仕事は、一人で行うよりもチームで行うことの方が多いはずです。
- 「チームでの開発経験はありますか?その中でどんな役割を担っていましたか?」
- 「チーム内で意見の衝突があった時、どのように対応しましたか?」
- 「チームの課題を解決するために、どんな貢献をしましたか?」
これらの質問から、協調性、リーダーシップ、問題解決における立ち回りなどを評価できます。
C. 逆質問は「最高の質問タイム」
面接の最後に必ず設ける「何か質問はありますか?」という逆質問の時間。これは、候補者からの質問を通して、その人の企業への関心度や仕事に対する考え方、何を重視しているかを知る絶好の機会です。
候補者からの質問には、たとえ基本的な内容であっても、丁寧に、具体的に答えましょう。
ここで企業の魅力をしっかりと伝えることで、候補者の入社意欲をさらに高めることができます。
ミスマッチを防ぐ!新しい採用手法の活用
従来の面接や書類選考だけでは見えにくい部分を補うために、最近では新しい採用手法も注目されています。これらを活用することで、ミスマッチを減らし、より自社にフィットする人材と出会える可能性が高まります。
リファレンスチェックで「第三者の声」を聞く
リファレンスチェックとは、
候補者の以前の勤務状況や人間関係について、候補者と一緒に働いていた第三者からヒアリングを行う手法です。
書類や面接だけではわからない、候補者の「リアルな姿」を知ることができます。
リファレンスチェックの主な方法
方法の種類 | メリット | デメリット |
企業側が候補者と親しい人を探してインタビュー | より客観的な意見が得られる可能性。経営層の採用で活用。 | 候補者の同意が必要。知り合いを辿る手間がかかる。 |
候補者に協力者を選んでもらい、企業が連絡 | 候補者の同意が得やすい。候補者の意図と乖離が少ない。 | ポジティブな情報に偏る可能性も。 |
リファレンスチェック専門サービス | (back checkやASHIATOなど) 仕組み化されており、効率的。 | サービス利用料がかかる。 |
最近では、候補者に協力者を選んでもらい、企業が連絡を取る後者の方法が主流で、専門のサービスも増えています。中には、SNSの繋がりを辿って情報収集する企業もあるようです。
リファレンスチェックでは、以下のような内容を中心にヒアリングすると良いでしょう。
- 候補者と一緒に働いていた期間と業務内容
- 候補者の勤怠状況
- 候補者が前向きに取り組んでいた業務(得意なこと)
- 候補者の苦手な業務(課題や改善点)
- 候補者が困難に直面した時の行動や解決方法
ここで意識したいのは、
ポジティブな情報だけでなく、ネガティブな情報も拾うことです。
「この人は、こういう場面ではちょっと苦戦するタイプなんだな」といった情報も、入社後の配属や育成を考える上で非常に役立ちます。

業務委託や副業で「お試し入社」を体験してもらう
正社員の試用期間って、実はすごく難しいんです。法律的にも、試用期間だからといって簡単に雇用契約を終了させることはできません。企業側も「入社してみたら思っていたのと違った…」というミスマッチは避けたいですよね。
そこで注目したいのが、業務委託や副業という形で、実際に一緒に働いてみる「お試し入社」です。
- 企業側のメリット:
- 候補者の実際のスキルや働きぶり、チームとの相性を時間をかけてじっくり見極められる。
- 正社員採用のリスクを減らせる。
- 候補者側のメリット:
- 入社前に企業の本当の雰囲気や仕事内容を知ることができる。(「良いことしか言われなかった」というギャップを防げる)
- 短期のインターンでは見えない、リアルな業務を体験できる。
最近では、いくつかのスタートアップで、まずは副業として会社に部分的に参加してもらい、数ヶ月後に正社員としてフルタイムで入社してもらう、というケースが増えてきています。
時間はかかりますが、採用のミスマッチを防ぐための現実的な手段として、ぜひ検討する価値があると思います。
正社員と業務委託、どちらのエンジニアが必要?
ITエンジニアの採用が過熱し、「内製化」の動きも活発な中で、「とにかく募集して片っ端から採用する」という企業も少なくないかもしれません。
しかし、採用コストも提示する給与も高騰している今、
「誰でも採用すればいい」というわけではありません。
費用対効果を高めるためには、採用対象者や職種を選択と集中していく必要があります。
私がおすすめしているのは、
自社のコアコンピタンス(競合他社には真似できない、自社ならではの強み)を明確にし、そこに正社員リソースを集中させることです。
正社員として採用すべきエンジニア

自社のサービスやプロダクトに対して、ITエンジニア自身の目線でシステムの改善提案をしてほしい
このような役割を担ってほしい場合は、正社員として採用すべきです。
なぜなら、サービスへの深い理解や、長期的な視点でのコミットメントは、多くの場合、正社員にしか望むことができないからです。
自社が目指すITエンジニア像を明確に定義し、評価制度を策定した上で、一人ひとりに納得してもらうプロセスが不可欠です。
業務委託や外部に依頼で良いエンジニア
一方で、以下のような業務であれば、業務委託やフリーランス、受託企業、あるいはオフショア開発(海外の拠点に開発を依頼する)などを検討しても良いでしょう。
- WebシステムのUI(ユーザーインターフェース)構築など、トレンドやデザインセンスが重視される部分
- 技術的なコアコンピタンスが強く求められないケースが多いです。
- 「言われたものだけを実装する」といった場合は、外部リソースで十分対応可能です。
- 一時的なプロジェクトや、特定の技術に特化した短期的な支援が必要な場合
- 正社員採用よりも柔軟に対応できます。
もちろん、業務委託や外部リソースを活用する際も、コミュニケーションや進捗管理は重要です。しかし、企業のフェーズや、ITエンジニアに求める役割に応じて、最適な採用形態を選択することが、コスト削減と生産性向上に繋がります。
まとめ:ITエンジニア採用面接、優しい先輩からのエール!
いかがでしたでしょうか?ITエンジニアの採用面接は、専門性が高く、難しく感じることも多いかもしれません。
でも、ポイントを押さえて準備し、候補者一人ひとりと丁寧に向き合うことで、必ず成功に繋がります。
今回のブログでお伝えしたこと、ぜひもう一度振り返ってみましょう!
- 事前の準備がとっても大切! 求人票と応募書類の読み込み、面接官同士の連携で評価のブレを防ごう。
- 地頭とスキルの見極め方。 ジョブ型採用の視点も意識して、適所適材の人材を見つけよう。
- 具体的なプロジェクト経験の深掘り、コーディングテスト、GitHubでのコードレビュー、スキルアセスメントツールの活用も視野に!
- コミュニケーション能力とカルチャーフィットも忘れずに! 業務内容に合わせて、必要なコミュニケーションレベルを定義しよう。
- オープンな質問やチーム開発経験の確認、逆質問の時間も有効活用。
- 新しい採用手法も積極的に取り入れてみて! リファレンスチェックや、業務委託・副業でのお試し入社で、ミスマッチを減らそう。
- 正社員か業務委託か、最適な採用形態を見極めよう。 自社のコアコンピタンスを意識して、どこにリソースを集中させるかを考えよう。
面接は、
企業側が候補者を見極める場であると同時に、候補者にとっても企業を知る大切な機会
です。
あなたが「この会社で働きたい!」と思ってもらえるような、魅力的で丁寧な面接を心がけてくださいね。
応援しています!
コメント