エンジニア採用におけるカジュアル面談のコツ|人事が知っておくべき実践ガイド

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すもりーマン
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ITエンジニアの採用、カジュアル面談ってどうすればいいの?

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他社ではどういう風にカジュアル面談を実施しているの?

ITエンジニアは今や「引く手あまた」の時代。

特に、まだ世間的な知名度がそれほど高くない企業にとって、いきなり「面接」や「選考」のステップに進むのは、正直なところハードルが高いですよね。

そこで重要になるのが、

カジュアル面談

です。

選考要素を極力排除し、企業と候補者がお互いを深く知るための「入り口」として、カジュアル面談はもはやITエンジニア採用の常識と言っても過言ではありません。

この場で候補者の入社意欲をどれだけ高められるかが、その後の採用活動を大きく左右します。

この記事では、私自身5年以上ITエンジニア採用業務をしてきた自身の経験も踏まえながら、人事担当者の皆さんがエンジニア採用のカジュアル面談を成功させるための実践的なノウハウを、余すことなくお伝えしていきますね。


「いきなり面接」はもったいない!カジュアル面談を入口にする理由

多くの人事担当者がまず「採用」を意識すると、どうしても「面接」や「選考」を考えてしまいがちです。

でも、ITエンジニア採用においては、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。

なぜ、いきなり面接ではなくカジュアル面談から始めるべきなのでしょうか?

ITエンジニアは「超」売り手市場

今のIT業界は、まさにITエンジニアが「超」売り手市場です。

一つの企業にこだわらず、複数の企業から引く手あまたの状態。

そんな中で、いきなり堅苦しい面接に臨むのは、候補者にとっても心理的な負担が大きいんです。

特に、皆さんが欲しい人材は他社からしても欲しい人材である可能性が高いです。

まずはどんな会社か知りたい」「どんな人が働いているのか見てみたい」という、気軽な情報収集の段階で、いきなり選考のプレッシャーをかけてしまうのは、非常にもったいないことなんですね。

自社の「顔」を知ってもらう最初のチャンス

特に、スタートアップや中小企業など、まだ世間的な知名度がそれほど高くない企業の場合、

カジュアル面談は自社の魅力を知ってもらう絶好の機会です。

候補者は、面談を通して初めてあなたの会社の雰囲気や事業内容に触れることになります。

この最初の出会いで、「この会社、なんか面白そうだな」「ここで働いてみたいな」と思ってもらえるかどうか。

それが、その後の応募や入社に繋がるかどうかの大きな分かれ道になります。

ミスマッチの「芽」を摘む

カジュアル面談は、企業と候補者双方にとっての「相互理解の場」です。

選考に進む前に、お互いの価値観や期待するものが大きくずれていないかを確認する時間として活用しましょう。

候補者が求めるキャリアパスと、企業が提供できる機会。候補者が重視する働き方と、企業の社風。

こうした点に大きな乖離があると、たとえ入社に至ったとしても早期離職に繋がってしまう可能性があります。

カジュアル面談で丁寧にすり合わせを行うことで、未来のミスマッチの芽を摘むことができるんです。


カジュアル面談で「最初に」聞くべきことと「伝え方」のコツ

カジュアル面談って、何から話せばいいんだろう?

そう思う方もいるかもしれませんね。私がカジュアル面談でいつも意識しているのは、

まずは候補者の話を聞く

ということです。企業から一方的に情報を伝えるだけでは、候補者の心には響きません。

最初にヒアリングすべき「2つの重要ポイント」

面談の冒頭で、僕が必ずヒアリングするようにしているのは、以下の2点です。

  1. 現在の転職に対する「温度感」
    • すぐにでも転職したいと考えているのか?
    • 良いご縁があれば転職も検討したい、くらいの気持ちなのか?
    • 今はただ情報収集をしていて、転職はまだ先のことなのか?
    ここを最初に確認することで、候補者の緊急度や本気度を測ることができます。それによって、その後の面談の進め方や、伝える情報の深さを調整できるんです。
  2. 転職にあたって「優先したい企業選びの観点」
    • 特に企業に聞いておきたいことや、今回の転職で叶えたいことは何ですか?
    • 現職で不満に思っていることや、次に働く上で避けたいことはありますか?
    この質問は、候補者の「潜在的なニーズ」を引き出すためのものです。例えば、「新しい技術に挑戦したい」「裁量権を持って働きたい」「ワークライフバランスを重視したい」など、具体的な希望が見えてきます。

ヒアリング後の「伝え方」のコツ

これらのヒアリングで候補者の意向を理解してから、初めて自社の情報を提供しましょう。

ポイントは、

あれもこれも伝える」のではなく、「候補者が知りたい情報に絞って的確に伝える」こと

です。

例えば、新しい技術に興味がある候補者には、自社の技術スタックや最新プロジェクトの情報を手厚く説明する。ワークライフバランスを重視する候補者には、福利厚生や残業時間、リモートワークの状況などを具体的に伝える、といった具合です。

カジュアル面談は、あくまでも選考に向けて意向を上げていく場です。

採用可否の判断を企業側がしているような雰囲気を出してしまうのは絶対にNGですよ。

僕も以前、「弊社の志望は何番目ですか?」とか「入社したらこんなポジションで頑張ってほしい!」なんて、選考に進むと決まっていないのに話してしまった経験があります。カジュアル面談は「気軽な雰囲気で話を聞くこと」がゴールなので、採用見極めの雰囲気は出さないように気をつけましょうね。


カジュアル面談で「会社説明」を魅力的に伝える方法

カジュアル面談では、当然ながら会社のことを知ってもらうための「会社説明」が必要です。

でも、ただ会社説明資料を読み上げるだけでは、候補者は退屈してしまいます。

どうすれば魅力的に伝えられるのでしょうか?

よくある説明項目の落とし穴

一般的に、会社説明資料には以下のような項目が含まれていることが多いですよね。

  • 会社沿革
  • ミッション・ビジョン
  • 社員の実態(年齢、男女比率、職種別比率など)
  • 主要事業
  • 今後の展望
  • 福利厚生
  • 給与体系

これらの項目を最初から最後まで通しで説明すると、どうしても「冗長で退屈なもの」になりがちです。

それに、面談の数だけ同じ話を繰り返していると、担当者自身も機械的になってしまいませんか?

候補者のニーズに合わせた「緩急」が重要

前述したヒアリングのポイントを思い出してください。候補者が何に興味を持っているのかが分かれば、説明の「緩急」をつけることができます。

例えば、

  • 事業内容に興味があるなら: 主要事業や今後の展望について、具体的な成功事例や課題、そこにエンジニアがどう関わっているのかを深掘りして話す。
  • 働き方に興味があるなら: 福利厚生や給与体系、リモートワークの状況などを、実際の社員の声を交えながら具体的に説明する。

このように、候補者の関心に合わせて情報提供の量と深さを調整することで、よりパーソナルな体験を提供し、飽きさせない面談にすることができます。

会社紹介ビデオや資料を「効果的に」活用する

説明の概要部分や、共通して伝えたい基本的な情報については、会社紹介ビデオを活用するのも非常に効果的です。動画は視覚と聴覚に訴えかけるため、候補者の記憶に残りやすいというメリットがあります。

また、詳細な資料は、必要に応じて画面共有したり、面談後に送付したりする形にしましょう。全てを口頭で説明するのではなく、デジタルコンテンツをうまく活用することで、効率的かつ魅力的な会社説明が可能になります。

「新卒向け資料の使い回し」は避けるべき!

私の知り合いの会社で、中途採用のカジュアル面談でも新卒向けの会社説明資料を使っているところがありましたが、これはできる限り避けるべきです。

なぜなら、

中途の候補者は「この資料、使い回しだな」とすぐに気づきますし、そもそも新卒と中途では、会社に求めることや、会社が候補者に求めることが大きく異なることが多いからです。

中途のエンジニアは、より具体的な技術課題やキャリアパス、事業の成長性などを求めている場合が多いです。彼らに響くような、中途採用に特化した会社説明資料を作成することをおすすめします。

どうしても手間はかかりますが、候補者からの印象は格段に良くなりますよ。

この記事を書いた人
でんちゃん

一児の父。人事として6年、採用・教育・労務・人事制度などを経験してきました。Excelを用いたデータ分析が得意。
娘が生まれ日々のすさまじい成長を目の当たりにしています。
人事やExcel、子育てに関してのお役立ち情報を伝えるブログを作っていきます!

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