
Excelで関数を使っているけど、なんだか思った通りにコピーできない…

絶対参照とか相対参照って聞くけど、いまいちよく分からない…

参照ってあまり馴染みがない考えだよね。
でも Excelの関数を使いこなす上で避けて通れないのが、「参照」の概念なんだ!
この「参照」を理解すると、すもりーマンのExcelスキルが格段にアップして、これまで手作業で修正していた表計算も、あっという間に自動化できるようになると思うよ!

そうなんだ!ぜひ教えてほしい!
この記事では、Excelの「相対参照」「絶対参照」「複合参照」という3つの参照方法について、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
それぞれの参照方法が「何を指しているのか」「どんな時に使うのか」「ショートカットキーはあるのか」を、具体的な例を交えながらじっくり見ていきましょう。

この記事を読み終える頃には、あなたは自信を持ってExcelの参照方法を使いこなし、複雑な計算もスムーズに行えるようになっているはずです! さあ、一緒にExcelの参照マスターを目指しましょう!
まずはココから!「相対参照」の基本を理解しよう
相対参照とは?

Excelで最も基本的な参照方法が相対参照です。
これは、セルをコピーしたり移動したりしたときに、参照先のセルが自動的に相対的な位置関係に合わせて変わる仕組みを指します。
例えば、「A1セルに書かれた数値を参照する」という数式を「A2セル」にコピーすると、自動的に「A2セルに書かれた数値を参照する」ように変化します。
つまり、コピー先の位置に合わせて「相対的に」参照先が変わるため、「相対参照」と呼ばれています。
相対参照の具体例
簡単な例で見てみましょう。


たとえば、B2セルに価格、C2セルに数量が入力されており、D2セルに合計金額を計算するとして、以下のようにD2セルに「=B2*C2
」と入力したとします。

=B2*C2
」と入力していますこのD2セルの数式を、D3セルにコピーしてみましょう。

すると、D3セルには「=B3*C3
」という数式が自動的に入力されます。

=B3*C3
」と自動的に数式が変更されていますね!
このように、元のD2セルでは「2行目のB列とC列」を参照していましたが、D3セルにコピーされたときには「3行目のB列とC列」に自動で変わっています。これが相対参照の動きです。

コピーすると、参照先の行と列を自動的に変えてくれるのか!
相対参照が便利なケース

相対参照は、以下のような場面で非常に便利です。

ほとんどの場面でExcelの数式は相対参照として動作するため、意識せずに使っている方も多いかもしれませんね!

勝手に変わってるからこれが相対参照だって認識ができていなかったよ!
動かしたくない!「絶対参照」でセルを固定しよう
絶対参照とは?
相対参照とは反対に、セルをコピーしたり移動したりしても、参照先のセルが絶対に変わらないように固定するのが絶対参照です。
セル番地の前に「$
(ドルマーク)」を付けることで、その行や列を固定します。
$A$1
: A列と1行目の両方を固定します。このセルをどこにコピーしても、常に「A1セル」を参照し続けます。
絶対参照の具体例
消費税の計算を例に見てみましょう。
最終的に、D列に消費税込みの金額を計算したいとします。消費税率はB6セルに「10%」と入力されています。
D2セルに「価格(B2セル)×消費税率(B6セル)+価格(B2セル)」という計算式を入力して、消費税込みの金額を求めます。
もしD2セルに「=B2*B6+B2
」と入力し、これをD3セルやD4セルにコピーするとどうなるでしょうか?

=B2*B6+B2
」と入力し、コピーする前の状態です
D3セルにコピーすると、「=B3*B7+B3
」となってしまったよ。。
消費税ではないブランクのセルを参照してしまってる。。
B7セルには何も入力されていないので、正しい計算結果が得られませんね。
これは、B6セルも相対参照として扱われたため、コピー先に応じてB7セルにずれてしまったからです。

=B3*B7+B3
」となっています。間違った計算結果ですね。ここで役立つのが絶対参照です。
消費税率が入力されているB6セルだけは、数式をコピーしても常にB6セルを参照し続けたいですよね。
そこで、B6セルを絶対参照にします。
D2セルに入力する数式を「=B2*$B$6+B2
」と修正してみましょう。B6セルの列(B)と行(6)の両方を$
で固定しています。
この数式をD3セルやD4セルにコピーしてみます。


D3セルの数式は「=B3*$B$6+B3
」、D4セルの数式は「=B4*$B$6+B4
」となり、B6セルはコピーしても固定されたままになった!
これで、正しい消費税込みの金額が計算できたよ!
絶対参照が便利なケース

絶対参照は、以下のような場面で非常に役立ちます。
絶対参照のショートカットキー「F4」キーを使いこなそう!

絶対参照の$
マークを手入力するのは面倒だよ。
何かいい方法はないの?

そんな時に便利なのが、F4キーです!
- 数式を入力または編集している状態で、絶対参照にしたいセル番地にカーソルを合わせます。(例:B6と入力した直後や、B6を選択した状態で)
- F4キーを1回押します。 →
$
B$
6` となり、列と行の両方が絶対参照になります。 - もう一度F4キーを押すと →
B$
6` となり、行だけが絶対参照になります(複合参照)。 - さらにもう一度F4キーを押すと →
$B6
となり、列だけが絶対参照になります(複合参照)。 - もう一度F4キーを押すと →
B6
となり、相対参照に戻ります。


F4キーを繰り返し押すことで、相対参照、絶対参照、複合参照(後述)を簡単に切り替えることができます。これはExcelを使う上で非常に重要なショートカットキーなので、ぜひ覚えて活用してくださいね!

列か行か、どちらかを固定!「複合参照」を理解しよう
複合参照とは?
複合参照は、絶対参照と相対参照を組み合わせた参照方法です。セルの列と行のうち、どちらか一方だけを固定することができます。

複合参照は、絶対参照や相対参照に比べて使う頻度は少ないかもしれませんが、掛け算九九の表など、特定の計算を効率的に行う際にとても便利なツールです!
複合参照の具体例:九九の表を作成してみよう!

複合参照の便利さを最も実感できるのが、九九の表(掛け算表)の作成です。

上記のような表で、B2セルに「A2セル」と「B1セル」を掛け算した結果を表示し、これを表全体にコピーして九九の表を完成させたいとします。
B2セルには「=A2*B1
」と入力したいところですが、そのままコピーするとどうなるでしょうか?
- 下方向にコピーすると、A列の参照は
A3
、A4
…と変わってほしいですが、B1はB2
、B3
…と変わってほしくありません。 - 右方向にコピーすると、B1列の参照は
C1
、D1
…と変わってほしいですが、A2はB2
、C2
…と変わってほしくありません。
これらを実現するために、複合参照を使います。
B2セルに設定する数式は「=$A2*B$1
」となります。
$A2
: 列(A)は固定($
が付いている)し、行(2)は相対参照($
が付いていない)にします。- これにより、下方向(行)にコピーした場合は
$A3
、$A4
…と行番号だけが変わり、右方向(列)にコピーした場合は常に$A2
のままとなります。
- これにより、下方向(行)にコピーした場合は
B$1
: 列(B)は相対参照($
が付いていない)で、行(1)は固定($
が付いている)します。- これにより、下方向(行)にコピーした場合は常に
B$1
のままとなり、右方向(列)にコピーした場合はC$1
、D$1
…と列番号だけが変わります。
- これにより、下方向(行)にコピーした場合は常に

この数式をB2セルに入力し、まずB列を下方向へフィルドラッグし、次にC列以降を右方向へフィルドラッグしてみましょう。

=$A2*B$1
」と入力しました


すると、見事に九九の表が完成します!

おー!できた!!
複合参照が便利なケース

複合参照は、以下のような複雑な表計算で非常に役立ちます。
参照方法の使い分けをマスターするコツ

ここまで、相対参照、絶対参照、複合参照の3つの参照方法について見てきました。それぞれに特徴があり、使いこなすことでExcelでの作業効率が格段に上がります。
どの参照方法を選べばいいの?

数式をコピーしたときに、「このセルだけは動かしたくない!」という部分があれば、そこを絶対参照($A$1
)にすることを検討しましょう。

行は動かしたくないけど列は動かしたい

列は動かしたくないけど行は動かしたい

上記のようなどちらか一方だけを固定したい場合は、複合参照(A$1
または $A1
)を使います。
特に指定がなければ、基本的には相対参照(A1
)が適用されます。
迷ったときは、以下の質問を自分に問いかけてみましょう。
練習問題をやってみよう!

実際に手を動かして練習してみるのが、一番の近道です。
以下の表を使って、各商品の合計金額(消費税込み)を計算し、さらに割引率を適用した金額も計算してみましょう。

- D2セル(消費税率): 10%は固定値として入力されています。
- F列(合計(税込)): E列の「合計(税抜)」にD2セルの消費税率を適用します。
- G列(割引後金額): F列の「合計(税込)」にB6セルの割引率を適用します。
この問題を解くために、どのセルをどのように参照すればよいか、考えてみてくださいね。
【ヒント】
- E列の「合計(税抜)」は、価格×数量で計算できます。これは相対参照でOKですね。
- F列の「合計(税込)」では、D2セルの消費税率はコピーしても動いてほしくないですね。
- G列の「割引後金額」では、B6セルの割引率はコピーしても動いてほしくないですね。
【解答例】
- E2セル(合計(税抜)):
=B2*C2
- これをE3, E4セルにコピーします。
- F2セル(合計(税込)):
=E2*(1+$D$2)
- D2セルは絶対参照にすることで、コピーしても固定されます。
- これをF3, F4セルにコピーします。
- G2セル(割引後金額):
=F2*(1-$B$6)
- B6セルは絶対参照にすることで、コピーしても固定されます。
- これをG3, G4セルにコピーします。


いかがでしたでしょうか? 正しくできましたか?
まとめ:Excelの参照方法を理解して効率アップ!

今回は、Excelの相対参照、絶対参照、複合参照について詳しく解説しました。それぞれのポイントをもう一度おさらいしましょう。
参照方法 | 動作 | 例 | ショートカットキー | どんな時に使う? |
相対参照 | コピーすると参照先が「相対的に」変化する | A1 | なし(デフォルト) | 行や列ごとに同じ計算を繰り返したい場合 |
絶対参照 | コピーしても参照先が「絶対的に」固定される | $A$1 | F4キーを1回 | 消費税率や割引率など、特定の固定値を参照したい場合 |
複合参照(行固定) | コピーすると列は変わり、行は固定される | A$1 | F4キーを2回 | 行の基準値は固定し、列の基準値は変えたい場合 |
複合参照(列固定) | コピーすると列は固定され、行は変わる | $A1 | F4キーを3回 | 列の基準値は固定し、行の基準値は変えたい場合 |
Excelの参照方法を理解し、適切に使いこなすことで、
といったメリットがあります。
最初は少し難しく感じるかもしれませんが、実際に手を動かして色々なパターンを試してみることが大切です。
F4キーを使いこなして、効率的に数式を作成してみてくださいね。

この記事が、あなたのExcelスキルアップの一助となれば嬉しいです。ぜひ今日からExcelの参照方法を意識して、関数をもっと便利に活用してみてください!
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