ロジカルシンキング(論理的思考力)を鍛える3つの問題(実践編)

仕事術

物事を体系的に整理し、そこから得た情報を根拠として、矛盾なく考える。それが論理的思考です。
英語では「ロジカル・シンキング」と呼ばれます。
皆さんの周りにいる頭の良い人は、なんとなくの判断はしません。不確実性の高い現代社会だからこそ、事実を冷静に見抜き、論理的に考える思考を大切にします。当たり前に見えるけれど、すべての思考の土台でもあります。そんな論理的思考が問われる、3問を今回は出題します。難易度は初級の問題を用意しました!
論理的に考えて仕事をすることが苦手、論理的に考えてバリバリ仕事がデキる人になりたいなど論理的思考に問題や課題を掲げている人は是非解いてみてください!

問1.3人の村人

あなたの前に3人の村人がいる。1人は天使、1人は悪魔、1人は人間。
天使は必ず真実を言い、悪魔は必ず嘘をつき、人間はランダムに真実や嘘を言う。

3人の村人(A,B,C)は次のように言った。

解説

いつも本当のことを言う「天使」と、いつも嘘をつく「悪魔」。彼らが登場するこの形式は「天使と悪魔のクイズ」とも呼ばれています。
1人ずつ順を追って、発言とその特徴に注目していきましょう。

仮定を立てる

問題文を読んで「1人ずつ地道に正体を考えていくしかないか?」「めんどくさい」と思った方もいるかと思います。 その直感は残念ながら正しいです。 論理的思考は一瞬で何かを解決してくれる魔法ではなく、正しい答えを地道に導くための武器です。 今回の問題は、 「もし〇〇だったら・・・・」と、仮定と検証を繰り返す問題です。 というわけで、以下のように仮定を取り、矛盾が起きるパターンを消していきましょう。

  • もしAが天使だったら
  • もしAが悪魔だったら
  • もしAが人間だったら
  • もしBが天使だったら

基本的にこれで大丈夫なのですが、この問題をややこしくしている「人間」という存在には注意が必要です。「人間」はランダムに真実や嘘を言うため、発言がヒントになりにくいです。そのため消去法で見つけていきましょう。まずは一貫性のある発言をする天使や悪魔について考えていきましょう。

1人目の正体を探す

まず、Aが天使だと仮定した場合。
「私は天使ではない」の発言は「真実」となります。つまり、Aは「天使ではない」ということになり矛盾します。

では、Aが悪魔だと仮定した場合、「私は天使ではない」の発言は「」となります。つまり、Aは「悪魔でもない」ため矛盾します。

残された可能性は「人間」となるため、Aは「人間」です。

2人目の正体を探す

次に、Bの正体を考えてみます。
Bが天使だった場合、「私は悪魔ではない」の発言は「真実」です。そのため矛盾はありません。

Bが悪魔だった場合、「私は悪魔ではない」の発言は「」であり、Bは悪魔だということになります。
ここにも矛盾はないです。そのため、この段階ではBが天使か悪魔のどちらかは特定できません。

3人目の正体を探す

次に、Cの正体を考えてみます。
Cが天使だった場合、「私は人間ではない」の発言は「真実」です。そのため矛盾はありません。Cが悪魔だった場合、「私は人間ではない」の発言は「真実」であり、Cは悪魔ではないということになります。

そのため、Cは「天使」です。

回答

A:人間 B:悪魔 C:天使

Point

  • わかっている情報を手掛かりに考える
  • ひとつずつ仮定しながら、論理が成り立つか考えていく

問2.3つの調味料

シオさん、コショウさん、サトウさんという名前の3人が、一緒に食事をしている。そのうちの1人があることに気づいた。「それぞれ塩、胡椒、砂糖を持っている」と言った。

塩を手に持っている人が、それに応えてこう言った。「誰も自分の名前と同じ調味料を取らなかった!」するとサトウさんが「砂糖を渡してくれ!」と言った。しかし、最初に気づいた人は砂糖を手に持っていない。

コショウさんは何を持っている?

解説

簡単そうに見えて、かなりややこしい状況です。正解を導くには、それぞれの発言が誰のものなのかを特定する必要があります。手掛かりをもとに1人ずつ「もし〇〇が、××なら」と仮定して答えを導いていきましょう。

最初に気づいた人を考える

まずは、「最初に気づいた人」から考えていきましょう。 問題文に「最初に気づいた人は砂糖を手に持っていない」とあるため、最初に気づいた人が持っているのは塩か胡椒です。 それがシオさんだった場合を考えてみます。 「名前と異なる調味料を持っている」という前提から、シオさんが持っているのは胡椒のはず

続いて、次に発言している「塩を持っている人」の正体も考えてみます。塩を持っているということは、サトウさんかコショウさんです。
ですが直後にサトウさんが発言しているため、2番目に発言した「塩を持っている人」はコショウさんのはずです。そうなると、最後に残ったサトウさんが砂糖を持っていることになってしまいます。
前提と矛盾してしまうため、この組み合わせはありえないことが分かりました。

次は、「最初に気づいた人」がコショウさんだった場合を考えていきましょう。
2番目に発言している人が「塩を持っている人」であるため、最初に発言した人が持っているのは砂糖か胡椒です。そして「名前と異なる調味料を持っている」という前提から、最初の発言者がコショウさんと仮定すると、持っているのは砂糖のはず。ですが、問題文には「最初に気づいた人は砂糖を手に持っていない」とあるため、矛盾しています。

残された「最初に気づいた人」はサトウさんのみとなりました。
サトウさんが持っている調味料は塩か胡椒ですが、その言葉に対して「塩を持っている人」が応答していることから、サトウさんが持っているのは胡椒だとわかりました。
そして2番目に発言した「塩を持っている人」はコショウさんであることもわかり最後に残ったシオさんが持っているのは砂糖でした。

回答

コショウさんが持っているのは「塩」

Point

  • 人はときに、「書かれていないこと」も信じてしまう
  • 論理的に考える事で、その思い込みを払拭できる

問3.1人だけの証言

会社のお金が誰かに横領されてしまった。社員Aは「犯人がBです!」と発言した。
社員B、Cもある発言をしたが社員Aの声が大きく聞き取れなかった。

その後、
「犯人はA、B、Cのうち誰か1人」
「犯人だけが本当のことを言った」
ということが分かった。

犯人は誰?

解説

登場人物の発言から犯人を見つける必要があるが、判明しているのはAの発言だけ。一見情報が不足している感じがします。それでも論理的に考えていけば答えを導き出せるのです。

判明している事実から別の情報を得る

問題文から以下の条件が分かっています。 「犯人はA、B、Cのうち誰か1人」 「犯人だけが本当のことを言った」 情報が少ない問題を考えるときの、セオリーがあります。 それは、判明している事実から別の情報を得る 例えば、「犯人だけが本当のことを言った」と言ったヒントから、 無実の人物は噓をついたということが分かります。

矛盾を探す

さて、ここからは1人ずつ仮定していき、矛盾するケースを探していきましょう。
発言しているのはAただ一人のため、まずはこのAが「犯人なら」と仮定して考えてみます。
この場合、「犯人だけが本当のことを言った」という条件から、Aの「犯人はBです」の発言は真実だということになります。しかし、AとBの2人が犯人ということになり、問題文に記載の条件と矛盾します。よって、Aが犯人ということはありえません。

問題文から得られた「犯人だけが本当のことを言った」というヒントからAの発言は嘘であることが分かりました。つまりBが犯人ではなく、残されたCが犯人となります。

回答

犯人はC

Point

  • たったひとつでの情報も、見方を変えると別の情報が得られる
  • 情報の逆や反対を考えてみると、別の法則が見つかる

まとめ

いかがでしたでしょうか?次回はもう少し難しい問題を解いていきましょう!今回の問題が思い通りに解けなかった場合は、解けるまで繰り返して基礎を身に着けていきましょう。

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