【人事のホンネ】新卒採用の早期化って本当に良いことばかり?IT企業採用担当が語るデメリット

採用

皆さん、こんにちは!私はIT企業で新卒・中途の採用を担当しています!27卒・28卒・29卒向けにインターンシップやオープンカンパニー、早期選考などがますます進んでいますよね。

優秀な学生をいち早く確保できる」「選考期間を長く取れる」といったメリットが喧伝されていますが、現場の採用担当者としては、ちょっと待った!と言いたい部分もあるんです。

最近、新卒採用の早期化の流れが加速していますが、採用を担当する立場として、その裏側で多くの学生さんが様々な困難に直面している現状を痛感しています。

今日は、IT企業の採用担当者の視点から、新卒採用の早期化が学生さんたちにもたらす、見過ごされがちなデメリットについてお話させてください。

学業との両立、本当に大丈夫?研究室や卒業論文との板挟み

早期選考のピークを迎える時期、多くの学生さんはゼミ配属や単位取得など重要な時期ではないでしょうか?特にIT系の学部学科では、専門性の高い授業や研究室での活動、そして卒業論文の作成など、時間的にも精神的にも大きな負担がかかります。私自身もIT系のゼミで卒論を3年次からひたすらに作成していたので痛いほど気持ちがわかります。。

そんな中、早期選考対策に多くの時間を割かざるを得なくなると、本来最も力を入れるべき学業がおろそかになってしまうのではないかと、私たちは危惧しています。

企業としては、優秀な学業成績を修め、深い専門知識を持った学生さんに入社してほしいと願っています。早期選考によって、学生さんが学びに集中できる環境が損なわれてしまうのは、本意ではありません。また学校側も同様の気持ちで教授やキャリアセンターの方たちとお話をする機会で本業がおろそかになっているとよくお話を伺います。

「まだ知らない世界があるのに…」選択肢を狭めてしまう可能性

早期に内定を得ることは、一見すると安心感に繋がるかもしれません。しかし、その裏で、他の多くの企業や仕事を知る機会を失ってしまう可能性があるのではないでしょうか。

特にIT業界は、技術領域も多岐にわたり、企業文化も様々です。もっと多くの企業を見て、話を聞くことで、本当に自分に合った企業や職種を見つけられるはずです。WEB系やハードウェア系、ソフトウェア系、通信系など本当に良い企業が沢山あります。

早期選考に偏ってしまうことで、学生さんが十分に比較検討する時間を持てず、「もっと他の企業を見ておけば…」と後悔してしまうのではないかと、私たちは懸念しています。有名な企業やその時思った第一志望の企業から内定をもらって「ある程度満足したからOK」となって、せっかくの貴重な新卒カードを使って入社したらブラック企業ですぐ退職してしまったら入社した本人にしても企業としてもミスマッチになってしまいますよね。。

早期内定後の「これで本当に良いのか?」という不安

早期に内定を得た学生さんの中には、「周りがまだ就活している中で、本当にこの決断で良かったのか?」という不安を抱える方も少なくありません。

特に、内定後に他の企業の情報が入ってきたり、友人たちの就活状況を聞いたりする中で、心が揺らいでしまうこともあるでしょう。周りの意識の高い学生に引っ張られて早期に活動することは大変すばらしいことですが、これからの人生を決めるのは周りにいる意識の高い学生ではなく、あなた自身です!

早期に安心を得られるはずが、その後の長い期間、迷いや不安を抱え続けてしまうことは、学生さんにとって大きな精神的な負担になるのではないかと感じています。

情報格差による不公平感。「知っている人だけが得をする」状況

早期選考に関する情報は、どうしても一部の意識の高い学生さんや、特定の大学のキャリアセンターに偏りがちです。結果として、「情報を持っているか否か」で、選考に参加できる機会に差が生まれてしまう可能性があります。

私たちは、全ての学生さんに平等にチャンスを提供したいと考えています。しかし、早期化が進むほど、情報収集に苦労する学生さんが不利な状況に置かれてしまうのではないかと、懸念しています。

まとめ

新卒採用の早期化は、企業側にもメリットがある一方で、学生さんにとっては、学業との両立の難しさ、将来の選択肢を狭めてしまう可能性、内定後の不安、そして情報格差による不公平感といった、様々なデメリットをもたらす可能性があると考えています。

私たちは、学生さん一人ひとりの可能性を最大限に引き出し、後悔のないキャリア選択をしてほしいと願っています。そのためにも、早期化の波に乗りつつも、学生さんの視点に立った、より公平で納得のいく採用活動のあり方を模索していく必要があると強く感じています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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