【初心者必見】もう怖くない!Excelの「配列数式」を徹底解説!業務効率が爆上がりするテクニック

配列数式はExcel作業をグッと効率化してくれる便利機能です。一度マスターしてしまえば、今まで何時間もかけていた作業が数分で終わるようになるかもしれません。

この記事で分かること
  • 配列数式が何なのか、通常数式との違い
  • 実務で役立つ具体的な使いどころ
  • 「動かない!」というトラブルを解決するヒント

Excelの「配列数式」ってそもそも何?

通常の数式との違い

まずは、私たちが普段使っている「通常の数式」と「配列数式」がどう違うのかを見ていきましょう。

「通常の数式」と「配列数式」の比較表

通常の数式は、例えば「A1とB1を足す」というように、特定のセル同士を計算します。
これは、1つの計算から1つの結果が生まれる、シンプルでわかりやすい仕組みです。

一方で、配列数式は、例えば「A1からA5までの範囲と、B1からB5までの範囲を掛け合わせる」というように、複数のセル範囲をまとめて計算の対象にします。
この「複数のセルを一塊(配列)として扱う」という点が、配列数式の最も重要な特徴です。

なぜ「配列数式」を使うべきなの?

でんちゃん
でんちゃん

「わざわざ難しい数式を使う必要ある?」と思った方もいるかもしれません。でも、配列数式にはこんなに便利なメリットがあるんです。

配列数列のメリット
  • 作業をシンプルにできる
    複数の補助列を使わなくても、たった1つの数式で複雑な計算ができてしまいます。
  • ファイルが軽くなることがある
    何千行もある表で、1つ1つのセルに数式を入れるよりも、配列数式1本で済ませる方が、ファイルサイズを抑えられる場合があります。
  • 数式を保護できる
    一度配列数式を入れると、範囲内の特定のセルだけを誤って削除したり編集したりするのを防ぐことができます。

配列数式の使い方をマスターしよう

でんちゃん
でんちゃん

では、実際に配列数式を使ってみましょう。

基本の入力方法(動的配列)

最新のExcel(Office 365など)を使っている方は、配列数式を意識せずに使うことができます。これが「動的配列」という新機能です。

手順
  • 計算したい範囲の数式を入力します。たとえば「=A1:A3*B1:B3」です。
  • そのままEnterキーを押して確定します。

これだけで、自動的に指定したセル範囲に計算結果が展開されます。

※古いバージョンのExcelを使っている場合は、「Ctrl」キーと「Shift」キーを押しながら「Enter」キーを押す必要があります。

複数の結果をまとめて表示する

まずは簡単な例から挑戦してみましょう。

以下の表を使って、各月の売上と費用から「利益」を計算してみます。

月ごとの売上表
手順
  • 「D2」から「D4」までのセル範囲を選択します。
  • 「D2」に「=B2:B4-C2:C4」と入力します。
  • Ctrl + Shift + Enter」を押して確定します。(最新版Excelの場合は「Enter」のみ)

すると、「D2」には1月の利益、「D3」には2月の利益…と、3つのセルにそれぞれ計算結果が表示されます。

1つの結果に集約して表示する

次に、複数の計算結果を1つのセルにまとめる方法です。

先ほどの表の、全月の利益の合計を求めてみましょう。

手順
  • 合計を表示したいセルに「=SUM(B2:B4-C2:C4)」と入力します。
  • Ctrl + Shift + Enter」を押して確定します。(最新版Excelの場合は「Enter」のみ)

これで、3か月分の利益の合計が、たった1つの数式で求められます。

でんちゃん
でんちゃん

通常、この計算をするには、まず各月の利益を計算する補助列が必要になりますが、配列数式を使えばその手間が省けますね。


【実例】配列数式の最強活用術!こんなときに使える神ワザ

ここからは実務で役立つ、配列数式の活用例をご紹介します。

複数条件での合計、平均、個数

SUMIFやCOUNTIFは便利ですが、条件が1つしか指定できません。

そんなとき、配列数式が力を発揮します。

部署が「営業部」で、かつ「売上10万円以上」の人の合計売上を求める

社員売上データ

社員売上データ

数式:=SUM((A2:A11=”営業部”)*(B2:B11>=100000)*(B2:B11))

少し複雑に見えますが、数式の「*」は「AND(かつ)」を意味します。「営業部」という条件が真(TRUE)、「10万円以上」という条件が真(TRUE)であれば、計算対象となります。それ以外は偽(FALSE)と見なされるため、合計から除外されます。

このテクニックは、SUMだけでなくAVERAGEやCOUNT関数にも応用できます。

重複しないリストを作る

UNIQUE関数は、配列数式の代表格です。元のデータから重複しない一意な値だけを抽出できます。

部署名のリストから、重複を除いた部署名の一覧を作成する

社員部署データ

数式:=UNIQUE(A2:A10)

たったこれだけで、部署名の一覧から「営業部」「経理部」「開発部」といったユニークなリストを作成できます。

〇〇番目に大きい・小さいデータを抽出

LARGEやSMALL関数も配列数式と相性が良いです。

売上データの中から、上位3位の売上を抽出する

月間売上データ

数式:=LARGE(売上げデータ, {1,2,3})

{1,2,3}」という「配列」を指定することで、1位、2位、3位の売上を一度に抽出できます。この数式は、「Ctrl + Shift + Enter」で確定する必要があります。


配列数式が「動かない…」を解決する3つのチェックリスト

「記事の通りにやったのに動かない…」

そんなとき、以下の3つのポイントをチェックしてみてください。

配列数式が「動かない…」のチェックリスト
  • そもそも「配列」として入力していますか?
  • 参照範囲は間違っていませんか?
  • 参照範囲は間違っていませんか?

そもそも「配列」として入力していますか?

最も多いのが、「Ctrl + Shift + Enter」を押し忘れているケースです。この3つのキーを同時に押して確定すると、数式が「{=…}」のように中かっこ「{ }」で囲まれます。これが配列数式として認識されている証拠です。

もし中かっこが付いていない場合は、再度3つのキーを押して確定し直してみてください。

参照範囲は間違っていませんか?

数式の「=」の後に、単一のセルではなく「セル範囲(例:「A1:A5」)」が入力されているか確認しましょう。また、数式全体を範囲として選択してから入力しないと、エラーになることもあります。

データ形式は合っていますか?

配列数式は、データ形式の不一致にとても敏感です。

たとえば「=A1:A5」と「=B1:B5」を計算する際、

  • 片方に数値以外の文字が混ざっていないか
  • 空白セルがないか

などを確認してみてください。思わぬところにエラーの原因が隠れていることがあります。


まとめ:配列数式を使いこなしてExcelマスターへの道

配列数式は、はじめは少し難しく感じるかもしれませんがまずは、簡単な例から実際に試してみてください。

記事のまとめ
  • 配列数式は複数のデータをまとめて計算する便利な数式。
  • 最新のExcelならEnterキーだけでOK。旧バージョンはCtrl + Shift + Enterで確定。
  • 複数条件の集計や重複の削除など、実務で役立つ使い道がたくさんある。
  • 動かないときは、「{ }」が付いているか参照範囲データ形式をチェック!

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