2026年は、日本の子育て政策が大きく前進する「転換点」になる年です。
少子化対策の本格化に伴い、政府は教育・保育・出産・就労支援などあらゆる領域で改革を進めています。
今回はその中から、特に家庭の負担が軽くなる5つの大型支援を、保護者目線と制度の背景の両面から徹底解説します。
- 0〜3歳未満でも保育園を使える
- 私立高校まで授業料が実質無償
- 出産費用も無償化へ前進
- フリーランスの育児負担も軽減
- 0〜2歳の保育料無償化も拡大へ
「こども誰でも通園制度」:家庭でも保育園を使える時代へ
就労要件なし、0〜3歳未満が月10時間まで利用可能
従来は保育園の利用には「保護者が働いている」「病気・介護がある」など“保育の必要性”が必須でした。しかし2026年以降、この前提が変わります。
▼制度のポイント
- 保護者の就労条件は一切なし
- 0歳〜3歳未満の子どもが対象
- 月10時間まで保育施設を利用可能
- 利用料は 1時間あたり約300円を想定
専業主婦(主夫)の家庭でも、月に数回は保育園に預けることが可能になります。
「リフレッシュのために預けたい」「専門家に相談したい」「子どもに同世代の友達と遊ぶ機会を作りたい」など、これまで叶わなかったニーズが制度として認められることになります。
科学的根拠:保育利用は子どもの発達に良い影響
東北大学による大規模調査では、生後1年未満から保育園などの保育施設を利用した子どもは、3歳まで家庭のみで過ごした子どもよりも
いわゆる「3歳児神話(3歳までは家庭で育てるべき)」には科学的根拠がないことが示された形です。
現場の課題も
制度としては非常に魅力的ですが、保育士からは
保護者からは「できれば土曜日も預けられると助かる」といった要望もあります。
制度と現場のバランスをどうとるかが今後の焦点です。
私立高校の「授業料実質無償化」拡大
2026年に全国で所得制限撤廃へ
これまで「私立高校は授業料が高いから無理…」と進路の選択肢を狭める家庭も少なくありませんでした。しかし2026年、これが大きく変わります。
▼支援内容
- 私立高校の授業料無償化(実質)に所得制限なし
- 支給上限額が
年額39万6,000円 → 45万7,000円へ引き上げ - この45万7,000円は私立高校の平均授業料に相当
そのため多くの私立高校で、授業料が“実質無料”となります。
東京都などではすでに所得制限なしの制度がありますが、それが全国一律で広がることは極めて大きな意味があります。
進学選択の自由度が向上
これまで経済的理由で公立一択だった家庭も、学校の特色や教育環境を見て自分たちに合った進路を選択できるようになります。
ただし、
などは別途かかる点には注意が必要です。
一部では「公立離れ」への懸念も
保護者の間では、
出産の「無償化」へ——保険適用も検討
東京都では出産費用の平均が 約62.5万円。
現在の出産育児一時金だけでは数十万円の不足が生まれることも珍しくありません。
これを受け、厚生労働省の有識者会議では、出産費用を実質無償化する方向で正式に制度設計を進める方針が決定されています。
保険適用を検討する理由
出産を「医療」として扱い、健康保険を適用する案が有力視されています。
ただし保険適用には以下の懸念も——
単なる「無料化」ではなく、医療体制を守りながらどう実現するかがポイントになっています。
育児中の自営業者にも国民年金保険料の免除を開始
会社員には「育休中の社会保険料免除」がありますが、これまでフリーランスや個人事業主には同様の制度がありませんでした。
その結果
収入が減る出産直後でも、毎月の国民年金保険料(約1.7万円)を払わなければならないという構造が続いていました。
2026年以降、制度が大きく改善
これはフリーランス人口が増える今、非常に大きな支援です。
0〜2歳の保育料無償化を全国で拡大へ
現在は
乳児の保育料は特に高く、「預けたいのに保育料が負担で働けない」と悩む家庭も少なくありません。
2026年以降、国が段階的に無償化を検討
早ければ2026年度以降、0〜2歳児の保育料の全国的な無償化が段階的に進む可能性があります。
自治体によっては先行して進めるところも増えており、今後の動きに注目です。
■まとめ:2026年は「子育て支援の転換点」に
2026年にかけて実施される子育て支援は、どれも家庭にとって大きな恩恵があります。
これらは単なる“制度の追加”ではなく、「子育てのしやすさ」を国全体で底上げする大改革と言えます。
政府の新制度や自治体独自の支援を上手に活用しながら、負担を減らしてより良い子育てができる時代に近づいています。
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