2025年12月以降、18歳未満を対象とした新NISAの拡充案、通称「こどもNISA(仮称)」に関する報道が相次いでいます。これは、現行の新NISAの生涯非課税枠とは別に、子ども専用の非課税枠を設けるという画期的な制度案です。
特に注目されているのは以下の3点です。
この制度が実現すれば、「複利効果」と「早期投資のメリット」を最大限に活かせます。
本記事では、この「こどもNISA(案)」の要点を解説した上で、
を徹底シミュレーション。
子どもの教育資金や将来の資産形成に最適な積立戦略を導き出します。
「こどもNISA(案)」の概要と4つの注目ポイント

報道ベースで明らかになった「こどもNISA(案)」の主要なポイントを整理します。
現行の「新NISA」や「ジュニアNISA」との違いがポイントです。
- 非課税上限
- 積立可能年齢
- 引き出し時期
- 制度開始時期
非課税上限
18歳未満の子ども一人あたり600万円(年間60万/月5万円が上限となる予定)
新NISAの生涯枠1,800万円とは別枠
積立可能年齢
0歳から口座開設・積立が可能
超長期の複利効果を最大限に活かせる
引き出し時期
12歳から引き出し可能となる案
従来のジュニアNISAの18歳までロックを大幅に緩和

12歳から引き出し可能であるため子供が中学生以降に引き出しが可能です。
一番お金がかかる高校や大学(専門学校)の教育費やお小遣い用に積み立て予定の方が多いのではないでしょうか?
制度開始時期
2026年度税制改正での制度化が濃厚
現時点では「案」だが実現の可能性が高い

上限の600万円は「拠出額の上限ではない」点が有力です。拠出した元本と運用益の合計残高が600万円に達すると、それ以上の新規の積立(拠出)がストップするという考え方です。
積立戦略の鍵:600万円の残高上限に「いつ」到達するか?
「こどもNISA(案)」で最適な戦略を立てるには、月々の積立額によって上限到達時期が大きく変わることを理解する必要があります。
積立が停止する時期は、その後の資産の伸び(運用期間)に直結するため、非常に重要です。
| 月々の積立額 | 年間の積立額 | 600万円到達期間の目安 |
|---|---|---|
| 1万円 | 12万円 | 50年 |
| 3万円 | 36万円 | 約16年8ヶ月 →17年目前後 |
| 5万円 | 60万円 | 10年 |

月3万円や5万円を選ぶ場合、積立期間は短くなり、その後の「運用成長期間」が長くなるという仕組みを理解しておく必要があります。
600万円上限を考慮した積立+運用シミュレーション

ここでは、具体的なリターンを見える化します。
1歳から積立を開始したとして、「600万円の上限」を考慮に入れた場合の資産額をシミュレーションします。
【シミュレーションの前提条件】
シミュレーション結果一覧表
積み立てプラン:月1万円(上限到達なし)
元本:
| 年齢 | 元本 |
|---|---|
| 12歳 | 132万円 |
| 17歳 | 192万円 |
| 20歳 | 240万円 |
| 年利 | 12歳時の資産額 | 17歳時の資産額 | 20歳時の資産額 |
|---|---|---|---|
| 5% | 198万円 | 309万円 | 413万円 |
| 7% | 226万円 | 393万円 | 524万円 |
| 10% | 279万円 | 572万円 | 766万円 |
積み立てプラン:月3万円(17年目で積み立て停止)
| 年齢 | 元本 |
|---|---|
| 12歳 | 396万円 |
| 17歳 | 600万円 |
| 20歳 | 600万円 |
| 年利 | 12歳時の資産額 | 17歳時の資産額 | 20歳時の資産額 |
|---|---|---|---|
| 5% | 593万円 | 953万円 | 1107万円 |
| 7% | 678万円 | 1230万円 | 1436万円 |
| 10% | 836万円 | 1830万円 | 2154万円 |
積み立てプラン:月5万円(10年目で積み立て停止)
| 年齢 | 元本 |
|---|---|
| 12歳 | 600万円 |
| 17歳 | 600万円 |
| 20歳 | 600万円 |
| 年利 | 12歳時の資産額 | 17歳時の資産額 | 20歳時の資産額 |
|---|---|---|---|
| 5% | 861万円 | 1106万円 | 1284万円 |
| 7% | 1001万円 | 1419万円 | 1749万円 |
| 10% | 1260万円 | 2074万円 | 2796万円 |
※資産額は四捨五入しています。
月3万円・5万円のプランは、積立停止後も運用のみで資産が大きく伸びています。上限後の「運用期間」こそが、複利を最大化する資産形成のキモです。
シミュレーションから導かれる最適な積立戦略
シミュレーション結果から、家庭の目標に合わせた最適な積立戦略は以下の通りです。
① 【長期コツコツ型】月1万円プラン:教育資金と相性◎
- 戦略: 上限を気にせず、20年以上の超長期で複利の恩恵を享受したい家庭向け。
- ゴール: 大学費用(400〜800万円)の準備や、将来の独立資金のベースとして。
- メリット:最も無理なく長期投資を続けられます。大学費用の資金を作るのにもリターンによっては十分作り出せますね!

大学や専門学校の資金を作るのに十分かと思います!
② 【バランス型】月3万円プラン:12年で600万円達成を目指す
- 戦略: 10年台後半で上限に「ほどよく」届き、その後も運用で大きく伸ばしたい家庭向け。
- ゴール: 12歳時点で中学受験や私立進学費用を確保しつつ、残りをさらに増やす二段階運用。
- メリット: 積立+運用期間のバランスが最も良く、目標額の達成可能性が高いです。

高校や大学などのお金がかかるタイミングで不安なく使うことが出来る為、我が家では目標にしたい金額です。
余った金額は卒業旅行や結婚祝い、ハネムーン、出産祝い、住宅購入などの費用として渡すことも十分想定できる金額になるなと考えています。
③ 【早期完了型】月5万円プラン:高収入世帯・短期間で積立を終えたい
- 戦略: 10年で積立を完了させ、残りの10年間を「運用成長モード」で一気に伸ばしたい家庭向け。
- ゴール: 早期に多額の資金を確保し、柔軟な使い道を検討したい高収入世帯や、余裕資金のある家庭。
- メリット: 投資期間を短縮できるため、ライフイベントの変化に柔軟に対応できます。

現行のNISA(上限1,800万円)の投資もあるため月5万円積み立てができる家庭は凄すぎますね!
12歳から引き出し可能な「メリットとリスク」
従来のジュニアNISAの最大のデメリットは「18歳まで原則引き出し不可」でしたが、「12歳から引き出し可能」という案は、この制度の使い勝手を大きく改善します。
メリット
中学受験・私立中学の入学金など、教育費がかかる時期(12歳〜15歳)に柔軟に対応可能。家計が急に苦しくなった時も対応できる。
デメリット
早期に引き出すと、複利効果を活かしきれない可能性がある。「教育費で使うか」「20歳まで増やし続けるか」という誘惑との戦いになる。
この「12歳ルール」により、「子どもの資産形成」と「教育費の捻出」という二つの目的を両立できる強力なツールとなり得ます。
結論:こどもNISA(案)は、新NISA時代を補完する最高の制度
「こどもNISA(案)」は、「早期投資の重要性」を最大限に反映した画期的な制度です。
今回のシミュレーションから、
が明確になりました。

我が家でも子供の教育費確保のため毎月いくら投資するかや引き出し時期をシミュレーションして決めている段階です。
我が家は引き出し時は毎年3~5%のパーセンテージを決めて引き出しするなどのルールを決めて引き出すのが良いかなと現状考えています。
正式な制度化が待たれますが、今から「もし制度が始まったら、わが家は月いくら積み立てて、いつストップさせるか」という戦略を立てておくことが、成功への第一歩です。
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