Excelの表で、行と列を入れ替えたいんだけど、どうすればいいの?
いつも使っている『行列を入れ替える』オプションが、なぜか表示されない!
Excelで資料を作成している時、こんな状況に遭遇した経験はありませんか?
データの見栄えを整えたり、別システムへインポートするために、行と列を入れ替える作業は頻繁に求められますよね。
でも、正しいやり方を知らないと、手作業で一つずつコピー&ペーストする羽目になり、時間ばかりが無駄になってしまいます。
本記事ではExcelの行と列を簡単かつスピーディーに入れ替える方法がマスターできます。
さらに、「行列を入れ替える」オプションが表示されない時の原因と具体的な対処法も、わかりやすい例を交えて徹底的に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたはもうExcelの行列入れ替えのエキスパートです!効率的なデータ整理術を身につけて、快適なExcel作業を実現しましょう。
Excelで行と列を入れ替える基本技:コピー&ペースト(行列を入れ替える)
Excelで表の行と列を入れ替える最も基本的な方法は、「コピー&ペースト(行列を入れ替える)」機能を使うことです。これはExcel初心者の方でも迷わず使える、非常に便利な機能ですよ。
まずは、以下のシンプルな表を例に、具体的な手順を見ていきましょう。
商品名 | 1月 | 2月 | 3月 |
りんご | 100 | 120 | 110 |
みかん | 80 | 90 | 95 |
ぶどう | 70 | 65 | 75 |

この表を、次のように行と列を入れ替えた形にしてみます。
月 | りんご | みかん | ぶどう |
1月 | 100 | 80 | 70 |
2月 | 120 | 90 | 65 |
3月 | 110 | 95 | 75 |
手順1:入れ替えたい範囲を選択し、コピーする
最初に、行と列を入れ替えたい範囲を選択してコピーします。
- 入れ替えたい範囲をドラッグして選択してください。(例:A1セルからD4セルまで)
- 選択した範囲で右クリックし、表示されるメニューから「コピー」を選ぶか、キーボードの「Ctrl + C」を押します。コピーが成功すると、選択範囲の周りが点線で点滅します。この点滅が確認できたら、正しくコピーできていますよ!

手順2:貼り付け先を選び、「行列を入れ替える」で貼り付ける
次に、コピーしたデータを貼り付ける場所を選択し、「行列を入れ替える」オプションを使って貼り付けます。
- 貼り付けを開始したいセルをクリックして選択します。(例:A6セル)
- 重要ポイント: 貼り付け先の範囲は、元のデータが上書きされないよう、必ず空白のセルを選ぶようにしてくださいね。
- 選択したセルで右クリックします。
- 表示されるメニューの「貼り付けのオプション」の中に、「行列を入れ替える」というアイコンがあります。上下の矢印が交差しているようなマークなので、見つけやすいはずです。これをクリックしましょう。
- ヒント: マウスポインタをアイコンに合わせると、「行列を入れ替える(T)」とツールチップが表示されます。
- これで、選択した表の行と列がサッと入れ替わって貼り付けられました!どうですか?あっという間にできましたよね!


表の背景色や文字色を変更している場合、表の形式に合わせて変更する必要があります!

背景色や文字色を変更したら表の完成!
「行列を入れ替える」が表示されない?!考えられる原因と対処法
基本的な方法はわかったんだけど、なぜか『行列を入れ替える』のオプションが出てこない!
もしあなたがこんな状況に遭遇して困っているなら、ご安心ください。
ここでは、「行列を入れ替える」オプションが表示されない主な原因と、その具体的な対処法について詳しく解説します。
一つずつ確認して、問題を解決していきましょう!
原因1:コピーが正しく行われていない
最もよくある原因は、
コピーが正確に行われていないことです。
Excelでコピー操作をすると、データは「クリップボード」という一時的な場所に保存されます。
このクリップボードにデータがないと、貼り付けオプションは何も表示されません。
対処法:コピー操作をやり直す
非常に基本的なことですが、まずはもう一度、コピー操作を丁寧に行ってみてください。
- 行と列を入れ替えたい範囲を正確に選択します。
- 「Ctrl + C」を押すか、右クリックメニューから「コピー」を選択します。
- コピーが成功すると、選択範囲の周りに点線が点滅します。この点滅が確認できれば、正しくコピーできています。
- 貼り付け先のセルを右クリックし、「貼り付けのオプション」に「行列を入れ替える」が表示されるか確認しましょう。
原因2:コピーモードではない(カット操作をしてしまった)
コピーと似た操作に「カット(切り取り)」がありますが、カットした場合は「行列を入れ替える」オプションは表示されません。カットはデータを「移動」させる操作なので、貼り付け時にデータの形式を変換するオプションは提供されないのです。
対処法:カットではなくコピーを使う
データを行と列を入れ替えたい場合は、必ず「コピー」を使用してください。
- コピー: 「Ctrl + C」または右クリックメニューの「コピー」
- カット: 「Ctrl + X」または右クリックメニューの「切り取り」
もし誤って「切り取り」をしてしまった場合は、改めて「コピー」でやり直しましょう。
原因3:コピー元のデータがExcelの表形式ではない
Excel以外のアプリケーション(例えばメモ帳やWebページなど)からコピーしたテキストデータは、Excelが「表形式」と認識しないことがあります。この場合も、「行列を入れ替える」オプションが表示されない原因となります。
対処法:一度Excelに貼り付けてから再度コピーする
外部のデータを行列入れ替えしたい場合は、一度Excelのシートに通常の貼り付け(Ctrl + V)で貼り付けてから、そのExcel上のデータを改めてコピーし直すことで解決できます。
- 外部のデータをコピーします。
- Excelシートの空白セルに、通常通り貼り付け(Ctrl + V)します。
- 貼り付けられたExcel上のデータを、もう一度選択してコピーします。
- 改めて貼り付け先のセルで右クリックし、「行列を入れ替える」オプションが表示されるか確認してみましょう。
原因4:画像や図形をコピーしている
意外と見落としがちなのが、コピーしている対象がデータではなく「画像」や「図形」であるケースです。画像や図形は、Excelのセルに入力されたデータとは異なるため、行列を入れ替えることはできません。
対処法:データの範囲を選択し直す
コピーしている対象が画像や図形ではないか確認し、表のデータが入力されているセル範囲を正確に選択し直してコピーしてくださいね。
原因5:マージされたセル(セル結合)が含まれている
コピー範囲にセル結合(マージ)されたセルが含まれている場合、「行列を入れ替える」オプションが使用できないことがあります。セル結合は複数のセルを一つにまとめる機能ですが、データの構造が複雑になるため、行列の入れ替えのような操作には制約が生じることがあるのです。
対処法:セル結合を解除してから操作する
もしコピー範囲にセル結合が含まれている場合は、以下の手順でセル結合を解除してから、再度コピー&ペーストを試してみてください。
- セル結合されている範囲を選択します。
- 「ホーム」タブの「配置」グループにある「セルを結合して中央揃え」ボタンをクリックします。もう一度クリックすると、セル結合が解除されます。
- 結合を解除すると、結合されていたデータは左上のセルに残ります。必要に応じてデータを整理してくださいね。
- セル結合を解除したデータ範囲を再度コピーし、貼り付けを行います。
原因6:保護されたシートやブックを使用している
もしExcelのシートやブックに保護が設定されている場合、特定の操作が制限されることがあります。これには、貼り付けオプションの一部も含まれる可能性があります。
対処法:シート/ブックの保護を解除する(権限がある場合)
シートやブックの保護を解除するには、パスワードが必要な場合があります。もし解除する権限とパスワードがある場合は、以下の手順で解除できます。
- 「校閲」タブをクリックします。
- 「シートの保護の解除」または「ブックの保護の解除」をクリックします。
- パスワードの入力を求められたら入力し、「OK」をクリックします。
- 保護を解除した後、改めてコピー&ペーストを試してみましょう。
その他の便利な入れ替え方法:TRANSPOSE関数を活用しよう!
「コピー&ペースト(行列を入れ替える)」以外にも、Excelには非常に便利な「TRANSPOSE関数」を使って行と列を入れ替える方法があります。
この方法は、特に元のデータに変更があった際に、入れ替えたデータも自動的に更新したい場合に非常に役立ちます。
TRANSPOSE関数は、配列(複数のセル範囲)の行と列を入れ替えて表示する関数です。
TRANSPOSE関数の使い方(Excel 2019以前のバージョン向け)
Excelのバージョンが古い場合(Excel 2019以前など)は、少し特殊な入力方法が必要になります。これは「配列数式」と呼ばれる方法です。
先ほどの以下の表を例に説明しますね。
商品名 | 1月 | 2月 | 3月 |
りんご | 100 | 120 | 110 |
みかん | 80 | 90 | 95 |
ぶどう | 70 | 65 | 75 |

この表は「4行×4列」ですね。行列を入れ替えると「4列×4行」になります。
入力する関数:=TRANSPOSE(A1:D4)
- 貼り付け先の範囲を事前に選択する: まず、入れ替え後のデータが表示される範囲をあらかじめ選択します。元の表が4行×4列なので、入れ替え後は4列×4行になります。 例:A6セルからD9セルまで(4列×4行)を選択します。
- TRANSPOSE関数を入力する: 選択した状態のまま、数式バーに以下の数式を入力します。
=TRANSPOSE(A1:D4)
A1:D4
は、元のデータの範囲です。
- 「Ctrl + Shift + Enter」で確定する: 数式を入力したら、通常のEnterキーではなく、「Ctrl」キーと「Shift」キーを押しながら「Enter」キーを押します。

すると、選択した範囲にデータが行列を入れ替えて表示されます。
数式は{=TRANSPOSE(A1:D4)}
のように、数式の両端に波かっこ{ }
が表示されます。これは「配列数式」として入力されたことを示します。
TRANSPOSE関数の使い方(Excel 365 / Excel 2021以降のバージョン向け)
Excel 365やExcel 2021など、比較的新しいExcelのバージョンでは、配列数式を意識することなく、より直感的にTRANSPOSE関数を使えます。この機能は「スピル」と呼ばれ、結果が自動的に周囲のセルに展開されます。
- 貼り付けを開始したいセルを選択する: 元のデータが貼り付けられる最初のセル(例:A6セル)を選択します。
- TRANSPOSE関数を入力し、Enterで確定する: 選択したセルに以下の数式を入力し、通常の「Enter」キーで確定します。
=TRANSPOSE(A1:D4)
これで、入力したセルを起点として、自動的に行列が入れ替わったデータが展開されます。非常に手軽で便利になりましたね!
TRANSPOSE関数を使う際の注意点
TRANSPOSE関数は非常に便利ですが、いくつか注意点があります。
- 元のデータが変更されると、貼り付けたデータも自動で更新される: これがTRANSPOSE関数の最大のメリットであり、他の方法との大きな違いです。元の表の数字や文字が変われば、TRANSPOSE関数で入れ替えたデータもリアルタイムで更新されます。
- 元のデータを削除すると、エラーになる: TRANSPOSE関数は、常に元のデータ範囲を参照しています。そのため、参照元のデータが削除されたり、移動されたりすると、参照エラー(
#REF!
)が表示されてしまいます。ご注意ください。 - 関数の結果は直接編集できない: TRANSPOSE関数で表示された個々のセルは、直接値を編集することはできません。もし、入れ替えた後のデータを個別に編集したい場合は、関数の結果を「値」として貼り付け直す必要があります。
- TRANSPOSE関数で表示された範囲を選択し、コピーします。
- 貼り付けたいセルで右クリックし、「貼り付けのオプション」から「値」(電卓のアイコン)をクリックします。
状況別:こんな時はどうする?実践的なQ&A
ここまでで基本的な入れ替え方法とその対処法、応用的なTRANSPOSE関数の使い方について見てきましたが、実際の作業では様々な疑問が出てくるかもしれません。ここでは、よくある質問にお答えしますね。
Q1:数式が入っている表を行列入れ替えすると、数式がエラーになるのですが?
数式がエラーになるのは、多くの場合、参照しているセルが相対参照で指定されているためです。行列を入れ替えると、参照先のセルの位置が元の数式からずれてしまい、正しく機能しなくなってしまうんですね。
対処法:
- 値を貼り付ける(数式を値に変換する): もし元の数式を残す必要がないのであれば、行列を入れ替える際に数式の結果である「値」として貼り付けるのが最も簡単です。
- 元の範囲をコピーします。
- 貼り付け先のセルで右クリックし、「貼り付けのオプション」から「値」(電卓のアイコン)をクリックします。
- その後に改めてコピーし直し、「行列を入れ替える」オプションで貼り付けます。
- 絶対参照($)を使う: 元の数式を残しつつ行列を入れ替えたい場合は、数式の中で参照しているセルを絶対参照(例:
$A$1
)にすることで、行列を入れ替えても参照先が変わらないようにできます。ただし、これは元の数式を一つずつ修正する必要があるため、手間がかかる場合があります。- 数式内のセル参照を選択し、「F4」キーを押すと、相対参照 → 絶対参照 → 複合参照 → 相対参照、と切り替わります。
- TRANSPOSE関数を使う場合: TRANSPOSE関数は参照元の数式の結果を表示するため、参照元の数式自体がエラーでなければ問題なく表示されます。ただし、TRANSPOSE関数で表示された結果のセルを直接編集したい場合は、その結果を「値」として貼り付け直す必要があります。
Q2:一部の列だけ、または一部の行だけを入れ替えたい場合は?
「行列を入れ替える」機能もTRANSPOSE関数も、基本的に選択した範囲全体に対して適用されます。特定の列や行だけを入れ替えたい場合は、その部分だけを個別にコピー&ペーストするか、以下の方法を検討しましょう。
対処法:
- 必要な範囲だけを選択してコピー&ペースト: 入れ替えたい列や行が含まれる最小限の範囲を選択し、「行列を入れ替える」で貼り付けます。その後、必要に応じて他のデータを手動で整理してください。
- いったん別の場所に貼り付けてから整理する: 一旦表全体を行列入れ替えで貼り付け、その後、不要な列や行を削除したり、必要な列や行を移動させたりして調整します。
- TRANSPOSE関数を応用する: TRANSPOSE関数を使う場合も、同様に特定の列や行だけを範囲に含めて関数を適用することができます。
Q3:データ量が多くて、手動でドラッグするのが面倒です。もっと簡単に範囲選択する方法は?
データ量が多い場合、マウスでドラッグして範囲を選択するのは骨が折れますよね。いくつか便利なショートカットキーがありますよ。
対処法:
- 「Ctrl + A」: 表の中の任意のセルをクリックした状態で「Ctrl + A」を押すと、表全体が自動的に選択されます。
- 「Ctrl + Shift + ↓」「Ctrl + Shift + →」: 表の左上のセル(例:A1)を選択した状態で、
- 「Ctrl + Shift + ↓」:現在の列の、データの最後までを選択します。
- 「Ctrl + Shift + →」:現在の行の、データの最後までを選択します。 これらの組み合わせで、表全体を選択することができます。(例:A1セルを選択して「Ctrl + Shift + ↓」を押した後、「Ctrl + Shift + →」を押す)
- 名前ボックスを活用する: 選択したい範囲の先頭セル(例:A1)から最終セル(例:Z1000)がわかっている場合は、Excelシートの左上にある「名前ボックス」(通常は「A1」と表示されている部分)に「A1:Z1000」のように入力してEnterキーを押すと、その範囲が選択されます。
これらのショートカットキーを使いこなすことで、大量のデータでも素早く範囲を選択し、作業効率をぐっと上げることができますよ!
まとめ:Excelの行列入れ替えをマスターして作業を効率化しよう!
この記事では、Excelの行と列を入れ替える方法について、基本的な手順から「行列を入れ替える」オプションが表示されない場合の具体的な対処法、そして応用的なTRANSPOSE関数を使った方法まで詳しく解説しました。
- 基本的な入れ替え方法は、誰でも簡単に使える「コピー&ペースト(行列を入れ替える)」です。
- 「行列を入れ替える」オプションが出てこない場合は、コピーの状態、コピー元のデータ形式、セル結合、シート保護など、いくつかの原因が考えられます。一つずつ確認して対処しましょう。
- TRANSPOSE関数を使えば、元のデータとの連動性を保ちながら行列を入れ替えられます。特にExcel 365などの新しいバージョンでは、手間なく利用できる強力な機能です。
- 数式のエラーや一部の入れ替えなど、実践的な疑問への対処法もご紹介しました。
Excelの行と列の入れ替えは、一見単純な作業に見えても、データ活用において非常に重要なスキルです。この記事で学んだことを活かして、あなたのExcel作業がよりスムーズで効率的になることを心から願っています。
これで、あなたはもうExcelの「行列を入れ替え」問題で悩むことはありませんね!
さあ、今日からあなたのExcel作業をもっと快適にしていきましょう!
他にもExcelで「これってどうやるの?」と疑問に思うことはありませんか?ぜひコメントで教えてくださいね!
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