
Excelで資料を作っていたら、突然エラー表示が!

なんだかシート全体がエラーだらけで、すごく見にくい…
Excelを使っていると、#N/Aや#DIV/0!といったエラー表示に悩まされること、ありますよね。これらのエラーは、せっかく作った資料の見た目を悪くするだけでなく、「なんだか難しそう…」という印象を与えてしまうことも。
今回は、そんなExcelのエラー表示をスッキリなくして、誰が見てもわかりやすい資料に変身させる魔法のような関数、IFERROR関数について徹底的に解説します。
この記事を読めば、IFERROR関数の使い方から、具体的な活用例、そして使う上での注意点まで、すべてがわかります。
一緒にIFERROR関数をマスターして、あなたのExcelスキルをワンランクアップさせましょう!
なぜExcelでエラーが出るの?エラーの種類と原因を知ろう
IFERROR関数の使い方を学ぶ前に、まずは「なぜエラーが表示されるのか」を少しだけ理解しておきましょう。Excelのエラー表示は、数式が正しく計算できなかったり、参照するデータが見つからなかったりするときに発生します。
主なエラーの種類とその原因は、以下の通りです。
エラー表示 | よくある原因 |
#N/A | 検索値が見つからない(VLOOKUP関数など) |
#DIV/0! | 0で割ろうとした |
#VALUE! | 数値の代わりに文字列を計算しようとした |
#REF! | 参照していたセルが削除されたり、移動されたりした |
#NAME? | 関数名や範囲名が間違っている |
#NUM! | 数値が大きすぎる、小さすぎる、または計算できない数値 |
#NULL! | 2つの範囲が交差しない参照を指定した |
これらのエラーが表示されると、シート全体がごちゃごちゃして見えてしまいますよね。
でも、IFERROR関数を使えば、これらのエラーをきれいに隠すことができるんです!
Excelの具体的なエラー表示の意味と対処法については下記記事でご紹介しています!
気になる方はご覧ください!
IFERROR関数とは?魔法の呪文「エラーだったら〇〇を表示!」
IFERROR関数は、とってもシンプル。数式の結果がエラーになったら、「代わりにこの値を表示してね!」とExcelに教えてあげられる関数です。
イメージとしては、「もしエラーが出たら、『該当なし』って書いといてね!」とか、「もしエラーが出たら、何も表示しないでおいてね!」と指示するようなものです。
IFERROR関数の構文

=IFERROR(値, エラーの場合の値)
- 値 (必須): エラーかどうかをチェックしたい数式や、参照したいセルを指定します。
- エラーの場合の値 (必須): 「値」の部分がエラーだった場合に、代わりに表示させたいものを指定します。
例えば、「=IFERROR(A1/B1, 0)」と書けば、「A1をB1で割った結果がもしエラーだったら、代わりに0を表示してね」という意味です。
【実践】IFERROR関数を使ってみよう!具体的な使用例
それでは、実際にIFERROR関数を使って、よくあるエラーを解決していきましょう!
VLOOKUP関数で「#N/A」エラーをなくす!
VLOOKUP関数は、大量のデータの中から特定の情報を見つけるときにとても便利な関数です。
しかし、
検索したい値が見つからない場合、#N/Aというエラーが表示されてしまいます。
例えば、商品コードを入力したら商品名が表示される表を作っていたとしましょう。
【データ例】
商品コード | 商品名 |
A001 | ノートパソコン |
A002 | スマートフォン |
A003 | ワイヤレスイヤホン |
A004 | モニター |

【検索シート】
検索したい商品コード | 商品名 |
A005 |
この「商品名」のセルにVLOOKUP関数を入れると、A005は商品リストにないので「#N/A」と表示されてしまいます。
通常のVLOOKUP関数: =VLOOKUP(D2,A1:B5,2,FALSE)

この「#N/A」を「該当なし」と表示させたい場合は、IFERROR関数を使います。
IFERROR関数を使ったVLOOKUP関数: IFERROR(VLOOKUP(D2,A1:B5,2,FALSE),"該当なし")

これで、見つからない商品コードを入力しても、スッキリ「該当なし」と表示されるようになりました。
割り算で「#DIV/0!」エラーをなくす!
もう一つよくあるエラーが、#DIV/0!です。これは、何かを0で割ろうとしたときに発生するエラーです。
例えば、売上データで「客単価」を計算しようとした場合を考えてみましょう。
【データ例】
日付 | 売上合計 | 来客数 | 客単価 |
2025/7/1 | 10000 | 5 | |
2025/7/2 | 15000 | 10 | |
2025/7/3 | 0 | 0 | |
2025/7/4 | 8000 | 4 |

「客単価」は「売上合計 ÷ 来客数」で計算します。
通常の割り算: =B2/C2
これをD列にコピーしていくと、2025/7/3のデータ(売上合計0円、来客数0人)の行では、来客数が0なので「#DIV/0!」エラーが表示されてしまいます。

このエラーを「0」と表示させたい場合は、IFERROR関数を使います。
IFERROR関数を使った割り算: =IFERROR(B2/C2,0)

これで、来客数が0の場合でも、エラーではなく「0」と表示され、見た目がすっきりしましたね。
もし何も表示したくない場合は、""
(ダブルクォーテーションを2つ)を指定します。
例: =IFERROR(B2/C2,"")

計算結果がない場合に空白にする!
IFERROR関数は、エラーの場合に何かを表示するだけでなく、何も表示しない(空白にする)という使い方もできます。
これは、シートをよりシンプルに見せたいときに非常に便利です。
例えば、アンケートの回答率を計算する表があったとします。
【データ例】
質問項目 | 回答数 | 全体数 | 回答率 |
Q1 | 80 | 100 | |
Q2 | 50 | 100 | |
Q3 | 100 |
回答率の計算式は「回答数 ÷ 全体数」です。 通常の計算式: =B2/C2
Q3のように、まだ回答数が入力されていない場合、割り算ができずに「#DIV/0!」エラーが出てしまいます。

ここで、IFERROR関数を使ってエラーの場合に何も表示しないようにしてみましょう。
IFERROR関数を使って空白にする: =IFERROR(B2/C2,"")

これで、まだデータが入力されていないセルには何も表示されず、完成した資料のようなすっきりとした見た目になります。
IFERROR関数を使う上での注意点
IFERROR関数はとても便利ですが、使う上での注意点もいくつかあります。
これらを知っておくことで、トラブルを未然に防ぎ、より効果的にIFERROR関数を使うことができます。
どんなエラーでも隠してしまう
IFERROR関数は、あらゆる種類のエラー(#N/A, #DIV/0!, #VALUE!, #REF! など)を区別なく「エラー」として扱います。
これはメリットでもありますが、時には注意が必要です。
例えば、本来は参照先が間違っている(#REF!)エラーが出ているのに、IFERROR関数を使っていると、そのエラーが「該当なし」などのメッセージで隠されてしまい、数式自体の間違いに気づきにくくなることがあります。

本来、数式が間違っていたり、データが壊れていたりする場合には、エラーメッセージが表示されることで問題に気づけます。しかしIFERROR関数を使いすぎると、こうした「気づき」の機会を失ってしまう可能性があることを覚えておきましょう。
アドバイス: 数式を作成・デバッグする段階ではIFERROR関数を一時的に外し、エラーの有無や種類を直接確認することをおすすめします。最終的な資料として見せる段階でIFERROR関数を適用すると良いでしょう。
大量のデータに使うと重くなる可能性も
Excelのシートに数多くのIFERROR関数を使用すると、ファイルの計算が遅くなることがあります。
特に、数式が複雑だったり、参照するデータ量が非常に多かったりする場合に顕著になります。
IFERROR関数は、まず「値」の部分の数式を計算し、それがエラーだった場合に初めて「エラーの場合の値」を計算します。この「二段階」の計算処理が、大量の数式で繰り返されると、パソコンに負荷がかかり、ファイルが重く感じられることがあるのです。
アドバイス: もしファイルの動作が遅いと感じたら、IFERROR関数が原因の一つではないか疑ってみましょう。不要なIFERROR関数を削除したり、代替となる関数(例: 特定のエラーのみをチェックするISNA関数など)の利用を検討したりすることで、改善される場合があります。
まとめ:IFERROR関数を使いこなして、見やすいExcel資料を作ろう!
今回は、ExcelのIFERROR関数について、その使い方から具体的な活用例、そして使う上での注意点まで詳しく解説しました。
IFERROR関数は、数式がエラーを返した場合に、指定した値を表示させることができる便利な関数です。
=IFERROR(値, エラーの場合の値)
というシンプルな構文で使えます。
VLOOKUP関数での#N/Aエラーや、割り算での#DIV/0!エラーなど、様々なエラーを解決できます。
エラー時に何も表示しない(空白にする)ことも可能です。
ただし、あらゆるエラーを隠してしまう点や、大規模なシートではパフォーマンスに影響が出る可能性がある点に注意が必要です。
IFERROR関数を適切に使うことで、これまで悩みの種だったエラー表示をスッキリ解消し、プロが作ったような見やすく、わかりやすいExcel資料を作成できるようになります。
ぜひ今日からIFERROR関数を活用して、あなたのExcel作業をより快適に、そして効率的に進めてみてくださいね!
もし「この場合はどうすればいいの?」といった疑問があれば、コメントで気軽に聞いてください。
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