Excelの「普通の表」と「テーブル機能」、どっちを選ぶべき?データ管理を劇的に効率化する秘訣を解説!

Excel術

Excelで資料を作るとき、いつも何となくセルにデータを入力して表にしちゃってるな…

『テーブル機能』って聞いたことはあるけど、普通の表と何が違うの?使った方がいいのかな?

こんな風に疑問を感じたことありませんか?

Excelを使っていると、ただセルにデータを打ち込むだけで表ができてしまうので、特に意識せず「普通の表」として使っている人がほとんどかもしれません。

でも、Excelには「テーブル機能」という、データを扱う上でとっても便利な機能があるんです。これを知っているかどうかで、毎日のExcel作業の効率が劇的に変わると言っても過言ではありません。

この記事で分かること

普段あなたが使っている「普通の表」とは何か?

Excelの「テーブル機能」とは何か?

そして、この2つの決定的な違いと、なぜテーブル機能を使った方が良いのか

について、Excelを使い始めたばかりの方にも分かりやすく、じっくり解説していきますね。

読み終わる頃にはきっと、「明日からテーブル機能を使ってみよう!」と思ってもらえるはずです!

普段使ってる「普通の表」って、実はただのセルの集まり?

まずは、あなたが普段Excelで使っている「普通の表」について確認してみましょう。 例えば、こんな顧客リストがあったとします。

顧客ID氏名住所購入金額購入日担当者
001山田 太郎東京都港区50002024/05/10Aさん
002佐藤 花子神奈川県横浜市80002024/05/12Bさん
003田中 健太大阪府大阪市30002024/05/15Aさん
顧客リスト
顧客リスト

これは、A1セルからF4セルにデータが入力されていて、見た目としては「表」に見えますよね。上記画像のように罫線を引いたり、色を付けたりして、もっと「表っぽく」見せることもできるでしょう。

でも、Excelにとっては、これはあくまで「罫線が引かれたセルの集合体」でしかありません。Excelがこの範囲を「データの一覧」として特別に認識しているわけではないんです。

だから、こんな時にちょっとした手間がかかってしまいます。

新しい顧客情報を追加するとき、いちいち下の行に罫線をコピーしたり、書式を合わせたりする。

途中の行を削除したときに、参照している数式の範囲を手動で直す必要がある。

「担当者Aさんのデータだけ見たい」と思ったら、いちいち範囲を選択してフィルターを設定する。

もちろん、これでも作業はできます。

でも、もしもっと効率的に、もっとストレスなくExcelを使える方法があるとしたら、知りたくないですか?

データ管理の強い味方!Excelの「テーブル機能」とは?

そこで登場するのが、Excelの「テーブル機能」です!

テーブル機能とは、Excelが「これはデータの一覧表なんだな!」と認識してくれる、特別な表のこと。

単なるセルの集まりではなく、データ構造を持った「オブジェクト」として扱われるイメージです。

先ほどの顧客リストを、テーブル機能を使って作ってみましょう

  1. 表にしたい範囲内のどこかのセルをクリックします。(例: A1セル)
  2. 「挿入」タブをクリックします。
  3. 「テーブル」グループにある「テーブル」をクリックします。
  4. 「テーブルの作成」ダイアログが表示されるので、範囲が正しければ「OK」をクリックします。
    • この時、「先頭行をテーブルの見出しとして使用する」にチェックが入っていることを確認してください。
テーブルの作成方法

するとどうでしょう? 表が自動的に水色と白のストライプ(縞模様)になり、見出し行にはフィルターボタンが自動で付いたはずです。

表が自動的に水色と白のストライプ(縞模様)になりましたね!

これが、Excelの「テーブル」です!

見た目もちょっと変わりましたよね。 この瞬間から、あなたの表はただのセルの集まりではなく、Excelが「賢い表」として扱ってくれるようになります。

「普通の表」と「テーブル機能」の決定的な違い7選!

それでは、

具体的に「普通の表」と「テーブル機能」には、どんな違いがあって、なぜテーブル機能の方が便利なのかを見ていきましょう。

項目普通の表(セル範囲)テーブル機能
見た目罫線や塗りつぶしは手動で設定自動でストライプが適用(変更可)
書式設定手動でコピーペースト行を追加すると自動適用
範囲拡張新しいデータを追加しても範囲はそのまま自動的に新しいデータを含めて拡張される
数式手動でコピーペースト、範囲の調整も必要同じ列の数式が自動でコピーされる
見出しスクロールすると消えるスクロールしても固定表示される
フィルター手動で設定が必要自動でフィルターボタンが付く
参照方法セル番地(A1:F4など)で指定テーブル名と列名で指定(構造化参照)
集計手動で数式を入力集計行を簡単に追加できる

どうでしょうか?テーブル機能の方が、圧倒的に便利そうじゃないですか?

ここからは、特に知っておいてほしい重要なポイントを7つに絞って、具体例を交えながら説明していきますね。

違い1:データの追加が超ラク!自動で範囲が拡張される

これがテーブル機能の最大のメリットと言っても過言ではありません!

【普通の表の場合

新しいデータを最終行の下に追加しても、Excelはそこを表の一部だとは認識してくれません。

だから、もし集計範囲にその新しいデータを含めたいなら、集計範囲の数式をいちいち手動で修正する必要がありました。

【普通の表での例】 例えば、下図のようにD列で「購入金額」をSUM関数で合計しているとします。

ここに新しい顧客データを追加した場合…どうなるのかというと、、

「菊池 風香」さんの6000円は合計に含まれませんよね。数式を=SUM(D4:C7)と修正しないといけません。ちょっとしたことですが、データが増えれば増えるほど、この修正作業は面倒になってきます。

ふつうの表の場合、数式を=SUM(D4:C7)に修正すると正しい合計値が算出される

テーブル機能を使っていれば、そんな手間は一切なし!

テーブルの最終行のすぐ下にデータを入力すると、自動的にその行がテーブルの一部として認識され、書式も数式も自動的に適用されます。

先ほどの表をテーブルに変換した場合、合計の計算式が自動的に更新されます。

新しい顧客データ挿入前データ

顧客データ挿入後合計が自動で変更される。

すごくないですか?

データが自動で集計対象に含まれるので、「数式の範囲がずれてた!」なんてミスが格段に減ります

これは本当に便利です!

違い2:数式を1箇所入力すれば、あとは自動でOK!

これもデータ入力の効率を上げる大きなポイントです。

【普通の表の場合

もし新しい計算列(例: 消費税込みの金額)を追加したい場合、最初のセルに数式を入力したら、あとはオートフィルで下のセルにコピーしていく必要がありますよね。

ここに消費税込みの金額を計算する「税込価格」列を追加する場合。

C4セルに=B4*1.1と入力し、C5セルにコピー…という作業が発生します。

C4セルの関数をコピーまたはオートフィルする必要がある。

テーブル機能を使っているなら、もっとスマートにできます。

テーブルの右隣の列に新しい見出し(例: 「税込価格」)を入力して、その下のセルに数式を1つだけ入力してみてください。

リンゴの税込価格のセルに関数を入力すると自動的に数式がコピーされます

なんと!

あなたが数式を入力した途端、その列のすべての行に同じ数式が自動的にコピーされます。

これで、オートフィルをドラッグする手間も省けますし、「数式をコピーし忘れた!」なんてミスも防げますね。

違い3:見出しが自動で固定されるから、スクロールも安心!

データが多くて、縦にどんどんスクロールしていくと、最初の方にあった見出し行が画面から消えてしまって、「この列は何のデータだっけ?」となること、ありませんか?

【普通の表の場合

この問題を解決するには「ウィンドウ枠の固定」という設定を自分でする必要があります。

これはこれで便利な機能なんですが、

もし途中で表の構造が変わったり、特定の範囲だけを見たい場合に、いちいち設定し直すのが手間になることもあります。

テーブル機能を使っていれば、そんな心配は無用です!

テーブルとして設定された表は、どれだけ下にスクロールしても見出し行が自動的に固定表示されます。

画面上部のA, B, C…という列番号が、自動的にテーブルの見出しに変わるんです。

これなら、データがたくさんあっても、いつでもどの列が何のデータなのかを一目で確認できます。

これも、データ入力や確認作業のストレスを減らしてくれる地味だけど嬉しいポイントです。

違い4:フィルターや並べ替えが自動で使える!

データが増えてくると、「特定の人だけのデータを見たい」「購入金額が多い順に並べ替えたい」といったニーズが出てきますよね。

【普通の表の場合

フィルターや並べ替え機能を使いたいときは、データ範囲を選択してから「データ」タブの「フィルター」ボタンをクリックする必要がありました。

テーブル機能を使っていれば、見出し行に自動でフィルターボタンが付いてきます。 このボタンをクリックするだけで、データの抽出(フィルター)や並べ替え(昇順・降順)が簡単にできます。

わざわざ範囲を選択し直す必要がないので、これもまた作業時間を短縮し、誤操作を防いでくれる便利な機能です。

違い5:数式で参照するときが「賢い」!構造化参照のススメ

Excelの数式で特定のセルや範囲を参照するとき、普段はA1とかB2:B10といった「セル番地」で指定することが多いですよね。これを「セル参照」と言います。

【普通の表の場合】

例えば、=SUM(B4:B13)のように、セルの位置で指定します。

しかし、この場合、B列にデータが追加されてB14まで増えたら、数式を=SUM(B4:B14)に直す必要があります。

数式を=SUM(B4:B14)を再度入力する必要がある

テーブル機能を使うと、「構造化参照」という特別な参照方法が使えるようになります。 これは、テーブルの名前や列の名前を使ってデータを参照する方法です。

例えば、テーブル名が「価格リスト」、列名が「価格」の場合、=SUM(価格リスト[価格])のように指定できます。

この方法の何がすごいかというと、

テーブルに新しい行が追加されても、数式を修正する必要がないんです!

新しい行が追加されても自動で合計が変わる

テーブルが自動で範囲を拡張してくれるので、数式も常に最新のデータ範囲を参照してくれます。

「あれ?このセル、何のデータだっけ?」と迷った時も、

[@価格」のように列名で書かれている方が、C4のようにセル番地で書かれているよりも、ずっと分かりやすいですよね。これもミスの軽減につながります。

違い6:集計行が簡単に挿入できる!

データの一覧の最後に、合計や平均、個数などを表示したい場面も多いでしょう。

普通の表の場合】

手動で最終行に数式(SUM関数やAVERAGE関数など)を入力する必要があります。

テーブル機能を使っていれば、もっと簡単に「集計行」を追加できます。

  1. テーブル内のどこかのセルをクリックします。
  2. 「テーブルデザイン」タブ(または「テーブルツール」→「デザイン」タブ)をクリックします。
  3. 「テーブルスタイルのオプション」グループにある「集計行」にチェックを入れます。
集計行の追加方法

すると、テーブルの最後に「集計」という行が追加され、一番右の列に自動で合計値が表示されます。

この合計値のセルをクリックすると、右側に小さな下矢印が表示されます。

これをクリックすると、「合計」「平均」「データの個数」など、様々な集計方法を選択できます。

右側に小さな下矢印をクリックすると、「合計」「平均」「データの個数」など、様々な集計方法を選択できます。

これで、いちいち関数を調べて入力する手間が省けますし、複数の集計値を瞬時に確認できるようになります。

違い7:ピボットテーブルとの連携がスムーズ!

高度なデータ分析をしたい時に使う「ピボットテーブル」はご存知でしょうか?

ピボットテーブルは大量のデータを集計・分析するのにとても便利な機能です。

普通の表の場合】

ピボットテーブルを作成する際に、元データの範囲を毎回手動で指定する必要があります。もし元データが増減した場合、ピボットテーブルのデータソースも手動で更新し直さなければなりません。

テーブル機能を元データとしてピボットテーブルを作成すると、テーブルが自動で範囲を拡張してくれるため、ピボットテーブルのデータソースも常に最新の状態に保たれます

新しいデータが追加されても、ピボットテーブルを更新するだけで、自動的に新しいデータが反映されるんです。

これは、定期的にレポートを作成したり、データ分析を行ったりする方にとっては、非常に大きなメリットになります。

データ分析でとても便利な機能

テーブル機能を使う上での注意点・デメリット

ここまでテーブル機能のメリットばかりお話ししてきましたが、どんなものにも良い面とそうでない面があります。テーブル機能を使う上での注意点もいくつかご紹介しておきますね。

セル結合ができないテーブル機能を使うと、基本的にセル結合はできません。もし見出しなどでどうしてもセル結合をしたい場合は、テーブルを解除するか、レイアウトの工夫が必要です。

見た目が自動で変わるデフォルトでストライプの書式が適用されます。もしそれが気に入らない場合は、「テーブルデザイン」タブからテーブルスタイルを変更したり、クリアしたりできます

非表示の列や行の扱いテーブルとして設定された範囲内で列を非表示にした場合、その列のデータはフィルターや数式の計算からは除外されません。見た目上見えなくなるだけなので、注意が必要です。

これらの点は、事前に知っておけば対策できることばかりなので、そこまで大きなデメリットにはならないでしょう。

どんな時に「テーブル機能」を使うべき?【データ活用度別】

では、具体的にどんな場面でテーブル機能を使うのがおすすめなのか、データ活用の度合い別に考えてみましょう。

活用度シーンの例・お勧め度どちらがおすすめ?
低い一時的なメモ、リスト普通の表でもOK
レイアウト重視の資料普通の表でもOK
中程度日々のタスク管理リストテーブル機能
簡単な顧客リスト
備品リスト
テーブル機能
月ごとの簡単な売上記録テーブル機能
高い継続的な売上データ、
営業日報
テーブル機能
大規模な顧客データベーステーブル機能
定期的な分析レポートの元データテーブル機能
ピボットテーブルを活用したいテーブル機能

見ての通り、少しでも「データとして管理・活用したい」「将来的にデータを追加する可能性がある」という場合は、断然テーブル機能を使うことをおすすめします!

最初は少し手間かもしれませんが、一度設定してしまえば、日々の作業効率が劇的に向上し、「Excelの作業が楽になった!」と実感できるはずです。

まとめ:今日から「賢い表」を使ってみよう!

いかがでしたでしょうか?Excelの「普通の表」と「テーブル機能」の違い、そしてテーブル機能がいかに便利か、ご理解いただけたでしょうか。

正直な話、Excelは奥が深く、色々な機能があるので、全てを使いこなすのは大変ですよね。

でも、今回の「テーブル機能」は、データ管理の基本中の基本でありながら、知らないと損をするレベルで便利な機能です。

今日からあなたのExcelライフに「テーブル機能」を取り入れてみませんか?

最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、慣れてしまえば「どうして今まで使わなかったんだろう!」と、きっと手放せなくなるはずです。

ぜひ、今回学んだことを活かして、あなたのExcel作業をよりスムーズに、より効率的に進めていってくださいね!応援しています!

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