この記事では、エクセル関数の中でも特に使用頻度の高い「AVERAGE関数」について、基本的な使い方から応用、そしてよくあるトラブルの解決策まで、徹底的に解説していきます。
AVERAGE関数とは?
AVERAGE関数は、指定した範囲の「平均値」を計算するための関数です。
例えば、テストの点数や商品の売上、気温の平均など、様々なデータの平均値を簡単に求めることができます。
「AVERAGE」は日本語で「平均」という意味なので、そのままですね!
AVERAGE関数の基本的な使い方

まずは、AVERAGE関数の最も基本的な使い方を見ていきましょう。
AVERAGE関数の書式は、以下のようになります。
=AVERAGE(数値1, [数値2], …)
- 数値1: 平均値を求めたい最初のセル範囲、または数値
- [数値2]: (省略可能)2番目以降のセル範囲、または数値
それでは、具体的な例で確認してみましょう。
【例1】テストの平均点を計算してみよう!
以下のデータを使って、Aさん、Bさん、Cさんの3科目の平均点を計算してみましょう。

<手順>
- E2セルに、Aさんの平均点を計算するための数式を入力します。=AVERAGE(B2:D2)
この数式は、「B2からD2までのセルの平均を計算する」という意味です。
:
(コロン)は「~から~まで」という範囲を表します。 - Enterキーを押すと、D2セルにAさんの平均点「81.666…」が表示されます。
- 次に、Bさん、Cさんの平均点を計算します。D2セルの右下にある小さな四角いマーク(フィルハンドル)を、D4セルまで下にドラッグしましょう。

これで、BさんとCさんの平均点も自動で計算されます!
AVERAGE関数で「0」になってしまうのはなぜ?
AVERAGE関数を使ったのに、計算結果がなぜか「0」になってしまう…。
これは、AVERAGE関数を使う上で、初心者の方が最もつまずきやすいポイントです。 でも安心してください!原因と解決策はとてもシンプルです。
原因1:データに文字列や空白セルが含まれている
AVERAGE関数は、数値データのみを平均値の計算対象とします。 そのため、平均を計算したい範囲に、文字列や空白セルが含まれていると、それらは無視されてしまいます。
もし、対象の数値が一つもない場合、計算結果は「0」と表示されます。
<例>
以下の表を見てみましょう。
E2セルの計算結果は「125」になっています。 B2~D2の範囲を見てみると、C2セルが「’10」になっています。

この場合、AVERAGE関数はC2を無視して、B2とD2のセルを計算しようとします。結果としてB2とD2の平均値の「125」が表示されてしまうのです。
原因2:非表示のセルが計算対象になっている
AVERAGE関数は、行や列を非表示にしても、その中の数値は計算対象から外れません。
意図せず非表示にしたセルに「0」や空白が含まれていると、計算結果に影響を与えてしまうことがあります。
<例>
以下の表で、3行目を非表示にしてみます。

この表の平均をAVERAGE関数で計算すると、3行目の「0」も含まれたまま計算されるため、結果が思った通りにならないことがあります。


全体の平均を算出するときは非表示になっている行や列がないか確認する必要がありますね!
「0」になってしまう時の対処法
AVERAGE関数の結果が「0」になる原因がわかったところで、次は具体的な解決策を見ていきましょう。
対処法1:AVERAGEA関数を使う
AVERAGE関数に似た「AVERAGEA関数」というものがあります。 AVERAGEA関数は、文字列や論理値(TRUE/FALSE)も計算対象として含めて、平均を計算してくれます。
=AVERAGEA(数値1, [数値2], …)
AVERAGEA関数は、以下のルールで値を扱います。
<例>
先ほどの例の「営業A」の平均売上をAVERAGEA関数で計算してみましょう。
E2セルに
=AVERAGEA(B2:D2)
と入力します。


この場合、「’10」という文字列が「0」として扱われるため、(100 + 0 + 150) / 3 = 83.33…という結果になります。
対処法2:AVERAGEIF関数を使う
特定の条件を満たすセルだけの平均を計算したい場合は、「AVERAGEIF関数」が便利です。
例えば、「売上が100以上の商品」の平均だけを計算したい、といった場合に役立ちます。
=AVERAGEIF(範囲, 検索条件, [平均対象範囲])
- 範囲:条件を適用するセル範囲
- 検索条件: 平均を計算するための条件
- [平均対象範囲]: (省略可能)実際に平均を計算するセル範囲
<例>
以下の表から、「売上が200以上の商品」の平均を計算してみましょう。

B7セルに
=AVERAGEIF(B2:B6, “>=200”)
と入力します。 この式は、「B2~B6の範囲で、値が200以上のセルの平均を計算する」という意味になります。


結果として、「商品B」「商品D」「商品E」の売上、つまり (250 + 300 + 220) / 3 = 256.66…が表示されます。
AVERAGE関数の応用テクニック

AVERAGE関数は、他の関数と組み合わせることで、さらに便利になります。 ここでは、知っておくと役立つ応用テクニックをご紹介します。
条件付き書式と組み合わせる
平均値よりも高い/低いセルに色をつけたい場合は、「条件付き書式」と組み合わせるのがおすすめです。
これにより、データの中から特に目立たせたい部分を視覚的に把握しやすくなります。
SUBTOTAL関数で非表示セルを無視する
先ほど、AVERAGE関数は非表示セルも計算対象にすると説明しました。 もし、非表示のセルを計算対象から外したい場合は、「SUBTOTAL関数」を使います。
SUBTOTAL関数の書式は少し複雑ですが、AVERAGE関数と組み合わせて使うことができます。
=SUBTOTAL(集計方法, 参照範囲)
- 集計方法: どの関数を使うかを指定します。AVERAGEの場合は「1」または「101」を指定します。
- 参照範囲: 平均を求めたいセル範囲
非表示のセルを無視して平均を計算したい場合は、集計方法を「101」に設定します。
<例>

4行目を非表示にした状態で、
B6セルに
=SUBTOTAL(101, B2:B5)
と入力します。 すると、非表示にしたB4セルの点数は計算対象から外れ、Aさん、Bさん、Dさんの3人分の平均が計算されます。

まとめ

この記事では、エクセルのAVERAGE関数について、以下の内容を解説しました。

AVERAGE関数は、使い方をマスターすれば、日々のデータ集計が格段に楽になる便利な関数です。 ぜひ、この記事を参考に、様々なデータでAVERAGE関数を試してみてください。
もし、AVERAGE関数でうまくいかないことがあれば、今回紹介した解決策を試してみてくださいね!
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