
Excelで平均値を出したいけど、AVERAGE関数ってどう使うの?

なんか変な平均値が出ちゃうんだけど、もしかして0が影響してる?

Excelでデータ分析をしていると、そんな悩みにぶつかることあるよね。
AVERAGE関数は、Excelの基本的な関数の一つですが、その使い方や注意点をしっかり理解していないと、意図しない結果になってしまうことがあります。
特に、データに「0」が含まれている場合の平均値の扱いは、多くの人が疑問に思うポイントではないでしょうか?

この記事では、ExcelのAVERAGE関数の基本から、知っておくと便利な使い方、そして「0」を除外した平均値の出し方まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
この記事を読み終える頃には、AVERAGE関数を自在に操り、あなたの業務に役立てられるようになっているはずです!
AVERAGE関数とは?基本の「キ」から解説!
AVERAGE関数って、そもそも何?
AVERAGE関数は、
指定した範囲の数値の平均値を計算するための関数です。
読み方は「アベレージ」。「平均」という意味ですね。
例えば、テストの点数や売上データなど、たくさんの数値があるときに、それらの平均をサッと出したいときにとても便利です。

イメージとしては、「合計点 ÷ 個数」を自動でやってくれる魔法の関数、と考えてみてください。
AVERAGE関数の書式(書き方)

AVERAGE関数の基本的な書式はとてもシンプルです。
=AVERAGE(数値1, [数値2], ...)
数値1
: 平均を計算したい最初の数値、または数値が入力されているセル範囲を指定します。[数値2], ...
: 必要であれば、さらに平均を計算したい数値やセル範囲を追加で指定できます。最大255個まで指定可能です。
実際に使ってみよう!AVERAGE関数の基本的な使い方

それでは、具体的なデータを使ってAVERAGE関数の使い方を見ていきましょう。
以下のデータは、あるクラスの5教科のテスト結果です。

例1:特定の範囲の平均を計算する
鈴木さんの5教科の平均点を計算してみましょう。
- 平均点を表示したいセル(例:G4)を選択します。
- セルに
=AVERAGE(
と入力します。 - 平均を計算したい範囲(鈴木さんの国語から英語の点数:B4からF4)をマウスでドラッグして選択します。
- 入力が完了したら
Enter
キーを押します。
【関数】
=AVERAGE(B4:F4)
そうすると、鈴木さんの5教科の平均点が表示されます。


例2:飛び飛びのセルの平均を計算する

もし、特定の教科だけを選んで平均を出したい場合はどうすればいいの?
例えば、田中さんの「国語」「数学」「英語」の3教科の平均点を出したいとします。
- 平均点を表示したいセルを選択します。
- セルに
=AVERAGE(
と入力します。 - 1つ目のセル(田中さんの国語:B2)を選択します。
- キーボードの
Ctrl
キーを押しながら、2つ目のセル(田中さんの数学:C2)、3つ目のセル(田中さんの英語:F2)をそれぞれクリックして選択します。 - 入力が完了したら
Enter
キーを押します。
=AVERAGE(B2,C2,F2)
という関数が入力され、選択した3教科の平均点が表示されます。


例題を見て関数を使うイメージが湧いたよ!
ここがポイント!AVERAGE関数を使う際の注意点

AVERAGE関数は便利ですが、いくつか知っておくべき注意点があります。
数値以外のデータは無視される

AVERAGE関数は、数値のみを対象として平均を計算します。
もし指定した範囲に文字や空白セルが含まれていても、それらは無視して計算してくれます。
例:以下のデータで平均を計算してみましょう。


この場合、=AVERAGE(A2:E2)
と入力すると、空白セルや「文字」という文字は無視され、「10, 20, 30」の3つの数値だけで平均が計算されます。
【計算結果】
(10 + 20 + 30) ÷ 3 = 20


(10 + 20 + 30) ÷ 5= 10ではなく、
数字が入っているセルのみ((10 + 20 + 30) ÷ 3 = 20 )で計算してくれるんだね!
「0」は数値として扱われる!これが落とし穴に!

ここが最も重要なポイント!
AVERAGE関数は、「0」を数値として扱います。

当たり前っちゃ当たり前だけどこの仕組みで0が平均値の計算に含まれてしまうんだね
例えば、5回行ったテストの点数で、1回だけ体調不良で0点を取ってしまった場合を考えてみましょう。

この5つの点数の平均をAVERAGE関数で計算すると、
【結果】
(80 + 70 + 90 + 0 + 75) ÷ 5 = 63
となります。


もし「0点は今回は対象外にしたいな」と考えている場合、この結果はあなたの意図とは異なるものになりますよね。
「0」を計算に含めるかどうかは、そのデータが何を意味しているかによって判断が変わります。
- 「0」も有効なデータとして数に含める場合:欠席や未回答で「0」を入れているが、それも成績として加味したい、など
- 「0」はカウントしたくない場合:データがまだ入力されていない、単に数値が存在しないことを示したい、など

じゃあ「0」を含めたくない場合は、じゃあどうすれば良いの?

具体的に3つの方法があるから説明していくね!
「0」を除外した平均値を出すには?3つの方法

AVERAGE関数は「0」を計算に含めてしまうため、意図せず平均値が下がってしまうことがあります。
ここでは、「0」を除外して平均値を計算する3つの方法をご紹介します。
方法1:手作業で「0」のセルを除外してAVERAGE関数を使う(非効率)

これは単純だけど、データ量が多い場合、すごい非効率な方法だね。
- 「0」が含まれるセルを事前に把握します。
- AVERAGE関数を使う際に、その「0」のセルを範囲から外して手動で選択し直すか、
Ctrl
キーを押しながら「0」以外のセルを一つずつ選択します。

この方法は、データが少なく、「0」が散発的にしか現れない場合に一時的に使えるかもしれませんが、間違いの元にもなるからあまりおすすめできないね。

方法2:AVERAGEIF関数を使う(これが最もおすすめ!)

AVERAGEIF関数は、「もし〜だったら」という条件に合うものだけを選んで平均を計算してくれる便利な関数です。

まさに「0を除外して平均を出したい」という場合にピッタリの関数だね!
AVERAGEIF関数の書式
=AVERAGEIF(範囲, 検索条件, [平均対象範囲])
範囲
: 条件を適用するセル範囲を指定します。検索条件
: 平均を計算するために満たすべき条件を指定します。[平均対象範囲]
: 実際に平均を計算するセル範囲を指定します。この引数は省略可能で、省略した場合は範囲
のデータが平均対象になります。
実際に使ってみよう!AVERAGEIF関数で「0」を除外する

先ほどのテストの点数の例で、体調不良による「0点」を除外して平均を計算してみましょう。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 |
80 | 70 | 90 | 0 | 75 |
- 平均点を表示したいセルを選択します。
- セルに
=AVERAGEIF(
と入力します。 - 平均を計算したい範囲(例:A2からE2)を選択します。
,
(カンマ)を入力し、次に条件を指定します。今回は「0ではない」という条件なので、"<>0"
と入力します。<>
は「〜ではない」という意味の演算子です。- 条件式は必ず**ダブルクォーテーション(”)**で囲んでください。
)
(閉じカッコ)を入力し、Enter
キーを押します。
完成した式は
=AVERAGEIF(A2:E2,"<>0")
となります。

この場合、(80 + 70 + 90 + 75) ÷ 4 = 78.75 となり、0点を除外した平均が計算されました。

【補足】空白セルや文字列も除外したい場合

AVERAGEIF関数は、数値以外のデータ(空白セルや文字列)は自動的に無視します。
そのため、"<>0"
という条件は、数値で0以外のものだけを対象にしてくれます。
非常に便利ですね!
方法3:AVERAGEIFS関数を使う(複数の条件で除外したい場合)

AVERAGEIFS関数は、AVERAGEIF関数よりもさらに強力で、複数の条件を満たすデータだけを選んで平均を計算したい場合に利用します。
AVERAGEIFS関数の書式
=AVERAGEIFS(平均対象範囲, 基準範囲1, 検索条件1, [基準範囲2, 検索条件2], ...)
平均対象範囲
: 実際に平均を計算するセル範囲を指定します。AVERAGEIF関数とは異なり、この引数は最初に指定します。基準範囲1
: 1つ目の条件を適用するセル範囲を指定します。検索条件1
: 1つ目の条件を指定します。[基準範囲2, 検索条件2], ...
: 必要であれば、さらに条件を追加で指定できます。
実際に使ってみよう!AVERAGEIFS関数で「0」と「特定の値」を除外する

例として、以下のデータで「0」と「10点」の両方を除外して平均を計算してみましょう。

- 平均点を表示したいセルを選択します。
- セルに
=AVERAGEIFS(
と入力します。 - 平均を計算する範囲(例:A2からF2)を選択します。
- 1つ目の基準範囲(A2からF2)を選択します。
,
(カンマ)を入力し、1つ目の条件"<>0"
を入力します。,
(カンマ)を入力し、2つ目の基準範囲(A2からf2)を選択します。,
(カンマ)を入力し、2つ目の条件"<>10"
を入力します。)
(閉じカッコ)を入力し、Enter
キーを押します。
完成した式は
=AVERAGEIFS(A2:F2,A2:F2,"<>0",A2:F2,"<>10")
となります。

この場合、(20 + 30 + 40 + 50) ÷ 4 = 35 となり、「0」と「10」を除外した平均が計算されました。


AVERAGEIFS関数は、より複雑な条件で平均を計算したい場合に非常に役立ちます。例えば、「売上が0円ではない、かつ、特定の商品カテゴリの平均を知りたい」といった場合にも使えますよ。
【発展】配列数式とSUM関数・COUNTIF関数を組み合わせる方法(上級者向け)

これは少し高度なテクニックですが、AVERAGEIF/IFS関数が使えない古いバージョンのExcelを使っている場合や、より複雑な条件で平均を計算したい場合に有効です。
「0」を除外した合計を出し、それを「0」を除外した個数で割るという考え方です。

難しい。。どういうこと?

実例を交えながら説明していくね!
書式例
=SUM(IF(範囲<>0,範囲))/COUNTIF(範囲,"<>0")

この式を入力した後に、Ctrl
+ Shift
+ Enter
キーを同時に押して配列数式として確定する必要があります。(数式の前後に{}
が自動で付きます)
実際に使ってみよう!

先ほどのテストの点数の例で、配列数式を使ってみましょう。

- 平均点を表示したいセルを選択します。
- セルに
=SUM(IF(A2:E2<>0,A2:E2))/COUNTIF(A2:E2,"<>0")
と入力します。 Ctrl
+Shift
+Enter
キーを同時に押します。
完成した式は
=SUM(IF(A2:E2<>0,A2:E2))/COUNTIF(A2:E2,"<>0")
【結果】
AVERAGEIF関数と同じ「78.75」になります。

この方法は少し複雑に感じるかもしれませんが、Excelのより深い理解につながります。
AVERAGEIF/IFS関数が使える場合は、そちらを使う方がシンプルでおすすめです。
まとめ:AVERAGE関数を使いこなしてデータ分析を効率化しよう!

この記事では、ExcelのAVERAGE関数の基本から、最も多くの人が悩む「0」を除外した平均値の出し方まで、解説しました。
AVERAGE関数は、見た目はシンプルですが、使い方をマスターすることで、Excelでのデータ分析がぐっと効率的になります。
特に、AVERAGEIF関数やAVERAGEIFS関数を使いこなせれば、より柔軟なデータ集計が可能になりますね。
あなたのデータに「0」が含まれている場合は、それが平均値にどう影響するかを考え、必要に応じてAVERAGEIF関数などで除外することを検討してみてください。
今日からあなたもAVERAGE関数の達人です!ぜひ、日々の業務で活用してみてくださいね。
💡 この記事のポイントまとめ

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