【完全版】Excelの情報関数20種類を徹底解説!初心者から上級者まで役立つ使い方

情報関数とは

セルに入力されている値や書式、エラーの種類など、さまざまな「情報」をチェックするために使われる関数

特に、データを扱う上でのエラー処理や、条件付きの集計・計算を行う際などに使用します。

この情報関数は全部で20種類あり、Office365のExcelで全て利用できます。

この記事で分かること

情報関数全20種類の意味や使い方


情報関数全20種類一覧表

情報関数は以下の表のように大きく4つの種類に分類できます。

種類関数名構文(書き方)関数の意味
判定系(IS系)ISBLANKISBLANK(値)セルが空白(空っぽ)かどうかを調べる(TRUE/FALSE)
ISFORMULAISFORMULA(参照)参照先のセルに数式が入力されているかを調べる(TRUE/FALSE)
ISLOGICALISLOGICAL(値)セルが論理値(TRUEまたはFALSE)であるかを調べる(TRUE/FALSE)
ISNONTEXTISNONTEXT(値)セルが文字列以外(数値、論理値、空白など)であるかを調べる(TRUE/FALSE)
ISNUMBERISNUMBER(値)セルが数値であるかを調べる(TRUE/FALSE)
ISREFISREF(値)セルが参照(セル番地など)であるかを調べる(TRUE/FALSE)
ISTEXTISTEXT(値)セルが文字列であるかを調べる(TRUE/FALSE)
ISEVENISEVEN(数値)数値が偶数であるかどうかを調べる(TRUE/FALSE)
ISODDISODD(数値)数値が奇数であるかどうかを調べる(TRUE/FALSE)
エラー系ISERRORISERROR(値)セルが任意のエラー(#N/Aを含む)かどうかを調べる(TRUE/FALSE)
ISERRISERR(値)セルが「#N/A」以外のエラーかどうかを調べる(TRUE/FALSE)
ISNAISNA(値)セルがエラー値「#N/A」であるかを調べる(TRUE/FALSE)
ERROR.TYPEERROR.TYPE(エラー値)エラー値の種類に対応した数値を返す
NANA()エラー値「#N/A」(データなし)を返す
情報取得系TYPETYPE(値)値のデータ型(数値、文字列、論理値など)に対応する数値を返す
NN(値)値を数値に変換する
PHONETICPHONETIC(参照)セルに入力されたふりがな(よみがな)の文字列を返す
SHEETSHEET([値])参照または名前が示すシートの番号を返す
SHEETSSHEETS([参照])参照に含まれるシートの数を返す
その他ISOMITTEDISOMITTED(引数)LAMBDA関数で、特定の引数が省略されたかどうかを調べる(TRUE/FALSE)


情報関数20種類の具体的な使い方を徹底解説

でんちゃん
でんちゃん

ここからは、一覧表の順番、つまり種類ごとに、一つひとつの情報関数について説明します。

判定系(IS系)の関数(9種類)

ISBLANK関数

関数の意味

指定したセルが空白(何も入力されていない状態)であるかどうかを調べます。結果はTRUE(空白である)またはFALSE(空白ではない)の論理値で返されます。

構文

ISBLANK(値)

  • :調べる対象のセルまたは値を指定します。

関数の使用例

A1セルが空白であればTRUE、何らかのデータ(数値、文字列、エラーなど)があればFALSEが返されます。

ISFORMULA関数

関数の意味

指定したセルに数式(関数を含む)が入力されているかどうかを調べます。結果はTRUE(数式である)またはFALSE(数式ではない)の論理値で返されます。

構文

ISFORMULA(参照)

  • 参照:調べる対象のセルを参照(セル番地)で指定します。

関数の使用例

A1セルに =SUM(B1:B5) といった数式が入力されていればTRUEが返されます。

ISLOGICAL関数

関数の意味

指定したセルが論理値(TRUEまたはFALSE)であるかどうかを調べます。結果はTRUE(論理値である)またはFALSE(論理値ではない)の論理値で返されます。

構文

ISLOGICAL(値)

  • :調べる対象のセルまたは値を指定します。

関数の使用例

A1セルに TRUE という値(文字列ではなく論理値として)が入っていればTRUEが返されます。

ISNONTEXT関数

関数の意味

指定したセルが文字列以外のデータ型であるかどうかを調べます。数値、論理値、エラー値、そして空白セルはすべて文字列以外としてTRUEが返されます。

構文

ISNONTEXT(値)

  • :調べる対象のセルまたは値を指定します。

関数の使用例

A1セルに数値「100」が入っていればTRUEが返されます。A1セルに文字列が入っている場合にのみFALSEになります。

ISNUMBER関数

関数の意味

指定したセルが数値(日付や時刻を含む)であるかどうかを調べます。結果はTRUE(数値である)またはFALSE(数値ではない)の論理値で返されます。

構文

ISNUMBER(値)

  • :調べる対象のセルまたは値を指定します。

関数の使用例

A1セルに数値「3.14」が入っていればTRUEが返されます。

ISREF関数

関数の意味

指定したセルが有効な参照(セル番地や範囲名など)であるかどうかを調べます。結果はTRUE(参照である)またはFALSE(参照ではない)の論理値で返されます。

構文

ISREF(値)

  • :調べる対象のセルまたは値を指定します。

関数の使用例

A1セル自体(A1)を参照として与えた場合、TRUEが返されます。

ISTEXT関数

関数の意味

指定したセルが文字列であるかどうかを調べます。結果はTRUE(文字列である)またはFALSE(文字列ではない)の論理値で返されます。数値を「文字列」として入力している場合(例:先頭に ‘ を付けている場合)もTRUEになります。

構文

ISTEXT(値)

  • :調べる対象のセルまたは値を指定します。

関数の使用例

A1セルに「こんにちは」という文字列が入っていればTRUEが返されます。

ISEVEN関数

関数の意味

指定した数値が偶数であるかどうかを調べます。結果はTRUE(偶数である)またはFALSE(奇数である)の論理値で返されます。負の数も判別可能です。

構文

ISEVEN(数値)

  • 数値:調べる対象の数値または、数値が入っているセルを指定します。

関数の使用例

数値「10」は偶数なのでTRUE、「11」は奇数なのでFALSEが返されます。

ISODD関数

関数の意味

指定した数値が奇数であるかどうかを調べます。結果はTRUE(奇数である)またはFALSE(偶数である)の論理値で返されます。

構文

ISODD(数値)

  • 数値:調べる対象の数値または、数値が入っているセルを指定します。

関数の使用例

数値「11」は奇数なのでTRUE、「10」は偶数なのでFALSEが返されます。


エラー系の関数(5種類)

ISERROR関数

関数の意味

指定したセルが任意のエラー値(「#N/A」を含む全てのエラー)であるかどうかを調べます。結果はTRUE(エラーである)またはFALSE(エラーではない)の論理値で返されます。エラー処理の際に最も汎用的に使われる関数です。

構文

ISERROR(値)

  • :調べる対象のセルまたは値を指定します。

関数の使用例

A1セルに #N/A、#VALUE!、#DIV/0! など、どんなエラーが入っていてもTRUEが返されます。

ISERR関数

関数の意味

指定したセルが「#N/A」以外のエラー値であるかどうかを調べます。結果はTRUE(#N/A以外のエラーである)またはFALSE(エラーではない、または#N/Aである)の論理値で返されます。

構文

ISERR(値)

  • :調べる対象のセルまたは値を指定します。

関数の使用例

A1セルに #VALUE! エラーがあればTRUEが、 #N/A や正常な値、文字列などが入っていればFALSEが返されます。

ISNA関数

関数の意味

指定したセルがエラー値「#N/A」であるかどうかを調べます。結果はTRUE(#N/Aである)またはFALSE(#N/Aではない)の論理値で返されます。「Not Applicable」(該当なし)のエラーを特に判別したいときに使われます。

構文

ISNA(値)

  • :調べる対象のセルまたは値を指定します。

関数の使用例

A1セルに #N/A エラーが入っていればTRUEが返されます。

ERROR.TYPE関数

関数の意味

セルのエラー値の種類に応じて、1から8までの数値を返します。この数値によって、どの種類のエラーが発生しているかを判別できます。主に IF 関数などと組み合わせて、エラーの種類ごとに異なる処理を行う際に役立ちます。

構文

ERROR.TYPE(エラー値)

  • エラー値:調べる対象のエラー値(例: #DIV/0!、#VALUE! など)または、エラー値が入っているセルを指定します。

関数の使用例

以下の画像のように、エラー値の種類を数値で判別することができます。

NA関数

関数の意味

「データが使用できません」という意味のエラー値「#N/A」を返します。主に、データがまだ入力されていないセルや、参照先がない場合に意図的にこのエラーを発生させて、後で判別できるようにするために使われます。

構文

NA()

  • 引数は不要です。

関数の使用例

セルに =NA() と入力するだけで、 #N/A が表示されます。


情報取得系の関数(5種類)

TYPE関数

関数の意味

指定した値のデータ型を示す数値を返します。返される数値は、数値(1)、文字列(2)、論理値(4)、エラー値(16)、配列(64)のいずれかです。

構文

TYPE(値)

  • :調べる対象のセルまたは値を指定します。

関数の使用例

A1セルに文字列「データ」が入っている場合、データ型は「文字列」なので 2 が返されます。

N関数

関数の意味

指定した値を数値に変換します。日付や時刻はシリアル値に、論理値 TRUE は 1 に、論理値 FALSE やエラー値、文字列は 0 に変換されます。値の型を変換したい場合に利用されます。

構文

N(値)

  • :調べる対象のセルまたは値を指定します。

関数の使用例

A1セルに論理値 TRUE が入っている場合、N関数はこれを数値の 1 に変換します。

PHONETIC関数

関数の意味

指定したセルに入力されているふりがな情報(よみがな)を文字列として返します。ただし、全角文字で入力されたデータで、ふりがな情報が正しく設定されている場合にのみ機能します。

構文

PHONETIC(参照)

  • 参照:ふりがなを取り出したいセルを参照(セル番地)で指定します。

関数の使用例

A1セルに「記事作成」と入力されており、ふりがなとして「キジサクセイ」が設定されていれば、それが返されます。

SHEET関数

関数の意味

指定した参照または名前が示すシートの番号(左から数えて何番目のシートか)を返します。引数を省略した場合は、その関数が入力されているシートの番号を返します。

構文

SHEET([値])

  • :シート名、またはシート上のセルを参照で指定します。省略可。

関数の使用例

現在のシートがブックの左から3番目にあれば、 =SHEET() の結果は 3 となります。

SHEETS関数

関数の意味

指定した参照(シート名やセル範囲)に含まれるシートの総数を返します。引数を省略した場合は、そのブック全体に含まれるシートの総数を返します。

構文

SHEETS([参照])

  • 参照:シート名、またはシート上のセル範囲を参照で指定します。省略可。

関数の使用例

ブックに全部で5つのシートがあれば、 =SHEETS() の結果は 5 となります。


その他の関数(1種類)

ISOMITTED関数

関数の意味

LAMBDA関数内で使用され、そのLAMBDA関数の呼び出し時に特定の引数が省略されたかどうかを調べます。省略されていればTRUEが返されます。Office 365で LAMBDA 関数が導入されてから使えるようになった新しい情報関数です。

構文

ISOMITTED(引数)

  • 引数:LAMBDA 関数内で定義された引数を指定します。

関数の使用例

LAMBDA 関数を定義する必要がありますが、ここでは概念的な結果を示します。例えば、 =LAMBDA(a, [b], ISOMITTED(b)) という関数で引数 b を省略して呼び出した場合、ISOMITTED は TRUE になります。


まとめ:情報関数を使いこなしてExcel作業を効率化しよう!

この記事では、Office 365のExcelで使える情報関数全20種類について解説してきました。

情報関数は、ISで始まるものが多く、セルの中身を「〜であるか?」とチェックする、判定役の関数が多い傾向がありますね。

特に、 IF 関数や IFERROR 関数と組み合わせて使うことで、

  • データがエラーかどうかをチェックして、エラーなら「データなし」と表示する(ISERROR + IF)
  • セルが空白かチェックして、空白なら集計対象から外す(ISBLANK + IF)

といった、より柔軟でエラーに強いExcelシートを作れるようになります。

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