
あー、またここ触っちゃった…

数式が入ってるのに変えられちゃった!
そんな経験、一度はありませんか?

共有しているExcelファイルで、特定のセルだけは編集してほしくないのに、なぜかいつも誰かが触ってしまって困る…なんてこと、ありませんか?
この記事では、そんなお悩みを解決するExcelの便利な機能をご紹介します。
特定のセルだけ編集できるように設定して、それ以外のセルはロックすることで、「うっかり編集」や「意図しない変更」を防ぎ、スムーズな業務を実現しましょう!
なぜ特定のセルだけ編集できるようにするの?そのメリットとは
「特定のセルだけ編集できるようにする」と聞くと、なんだか難しそう…と思う方もいるかもしれませんね。でも、この設定にはたくさんのメリットがあるんです!
データの整合性を保つ
たとえば、会社の売上データや顧客情報など、重要なデータが入力されているExcelファイル。
数式が組まれているセルや、変更されては困る固定データが入力されているセルが、誰かに誤って編集されてしまうと、データが狂ってしまったり、計算結果がおかしくなったりすることがあります。
特定のセルだけ編集可能にすることで、このようなデータの破損や誤りを防ぎ、常に正しい状態を保つことができます。
作業効率アップ!無駄なやり取りを減らす
「このセルは触らないでくださいね」と何度も注意したり、変更されてしまったデータを修正したり…これって、意外と時間と手間がかかりますよね。
Excelがある程度できる人からすると、「この時間何の時間だよ。。」と思うような経験ありませんか?
特定のセルだけ編集できるようにしておけば、そういった無駄な確認や修正作業が格段に減り、本来の業務に集中できるようになります。
ストレスフリーな共同作業
複数人で一つのExcelファイルを共有して作業する際、どこを編集して良くて、どこを編集してはいけないのかが曖昧だと、お互いに気を遣ってしまいがちです。
明確に編集できる箇所を限定することで、安心して共同作業を進められるようになります。
Excelで特定のセルだけ編集できるようにする準備をしよう
さっそく、具体的な設定方法を見ていきましょう。特定のセルだけ編集できるようにするには、大きく分けて2つのステップがあります。

この2つのステップを順番に行っていきますね。
ステップ1:編集を許可したいセル以外のすべてのセルをロックする
Excelのセルには、初期設定ですべてのセルに「ロック」がかかっています。
この「ロック」は、シートの保護と組み合わせることで初めて有効になるんです。
なので、まずは「ロックを解除したいセル(=編集を許可したいセル)」のロックを外す作業から始めます。
- 編集を許可したいセルを選択する
まずは、編集を許可したいセル(例えば、名前や日付を入力するセル、備考欄など)を選択します。
複数のセルを選択する場合は、Ctrlキーを押しながらクリックすると、飛び飛びのセルでもまとめて選択できますよ。

- セルの書式設定を開く
選択したセルを右クリックし、表示されるメニューの中から「セルの書式設定」をクリックします。

- 「保護」タブで「ロック」のチェックを外す
「セルの書式設定」ダイアログボックスが開いたら、「保護」タブをクリックします。初期設定では「ロック」にチェックが入っているはずなので、このチェックを外します。

これで、選択したセルは「ロックが解除された状態」になりました。
シートの保護をするまで、見た目には何も変化はありませんが、準備は整いましたよ!
いよいよ本番!シートの保護を設定しよう
ロックを解除したいセルの設定が終わったら、いよいよシートの保護を設定します。
これが、特定のセルだけ編集できるようにする、一番重要なステップです。
- 「校閲」タブを開くExcelのリボンメニューから「校閲」タブをクリックします。
- 「シートの保護」をクリックする「校閲」タブの中にある「シートの保護」をクリックします。

- シートの保護ダイアログボックスを設定する「シートの保護」ダイアログボックスが開きます。ここで、どのような操作を許可するかを設定できます。
「シートとロックされたセルの内容を保護する」にチェックが入っていることを確認します。 これがオンになっていることで、ロックされているセルが編集できなくなります。
「このシートのすべてのユーザーに許可する操作」の項目から、許可したい操作にチェックを入れます。
例えば、以下のような設定が考えられます。
ロックされていないセル範囲の選択:これは基本的にチェックを入れておきましょう。編集を許可したセルを選択できなければ意味がないためです。
ロックされたセル範囲の選択:通常はチェックを外しておくと良いでしょう。こうすることで、ロックされたセルをクリックしても何も起きず、誤って編集してしまうリスクが減ります。
セルの書式設定:セルの色やフォントなどを変更することを許可したい場合にチェックを入れます。
列の書式設定、行の書式設定:列や行の幅などを変更することを許可したい場合にチェックを入れます。
列の挿入、行の挿入:新しい列や行を追加することを許可したい場合にチェックを入れます。
並べ替え:データを並べ替えることを許可したい場合にチェックを入れます。
- パスワードを設定する(任意):シートの保護を解除するためのパスワードを設定できます。パスワードを設定しておけば、自分以外の人が勝手にシートの保護を解除して、ロックされたセルを編集してしまうのを防げます。
パスワードは、忘れないようにメモしておきましょう。もしパスワードを忘れてしまうと、シートの保護を解除できなくなる可能性があるので注意が必要です。
- 「OK」をクリックして保護を適用する設定が終わったら「OK」ボタンをクリックします。パスワードを設定した場合は、確認のためにもう一度パスワードを入力する画面が表示されるので、同じパスワードを入力して「OK」をクリックしてください。

これでシートの保護が完了し、設定した特定のセルだけが編集できるようになりました!
実際に試してみよう!編集できるセルとできないセル
さあ、設定が終わったところで、本当に特定のセルだけ編集できるようになったのか、実際に試してみましょう。
編集できるセルを触ってみる
先ほどロックを解除したセル(例:名前や日付を入力するセル)に文字を入力したり、削除したりしてみてください。問題なく編集できるはずです。
編集できないセルを触ってみる
次に、ロックがかかっているはずのセル(例:数式が入っているセルや固定データ)に文字を入力しようとしてみてください。すると、おそらく以下のような警告メッセージが表示されるはずです。
「変更しようとしているセルまたはグラフは保護シート上にあります。変更するには、保護を解除してください。パスワードの入力が必要な場合もあります。」

このメッセージが表示されれば大成功です!
意図しない変更がしっかりと防げていることが確認できましたね。
具体例で見てみよう!顧客リストを特定の担当者だけが入力できるようにする
ここまでで基本的な設定方法は理解できたと思いますが、具体的なシーンでどのように活用できるのか、イメージを掴んでみましょう。
ここでは、顧客リストのExcelファイルを例に考えます。
顧客リストの構成例

このような顧客リストがあったとします。この中で、
- ID、顧客名、連絡先、契約状況:これらの情報は常に固定で、誤って変更されては困る
- 担当者、備考:これらの情報は、担当者が適宜更新できるようにしたい
という場合に、特定のセルだけ編集できるように設定します。
設定手順
- 「担当者」列と「備考」列のすべてのセルを選択します。
- 選択したセルを右クリックし、「セルの書式設定」を開きます。
- 「保護」タブで「ロック」のチェックを外します。
- 「校閲」タブから「シートの保護」をクリックします。
- 「シートの保護」ダイアログボックスで、「ロックされたセル範囲の選択」のチェックを外し、「OK」をクリックします(パスワードは任意で設定)。


これで、
顧客名や連絡先といった重要なデータは誤って変更されることなく、担当者や備考欄だけが自由に編集できる、安全で使いやすい顧客リストの完成です!
シート保護を一時的に解除したいときは?
「やっぱりシート保護を解除して、全部編集できるようにしたい!」と思うこともあるかもしれませんね。そんな時は、以下の手順で簡単に解除できます。
- 「校閲」タブをクリックします。
- 「シート保護の解除」をクリックします。

- パスワードを設定している場合は、パスワードの入力が求められるので、正しいパスワードを入力して「OK」をクリックします。
これで、
シート保護が解除され、すべてのセルが編集できるようになります。
複雑なExcelファイルでも使える「範囲の編集を許可」機能とは?
「特定のセル」というよりも、「特定の範囲」を複数のユーザーにそれぞれ編集させたい、といったさらに複雑なケースもあるかもしれません。そんな時に便利なのが、「範囲の編集を許可」という機能です。
これは、シート全体を保護した上で、特定の範囲(たとえば、チームAの担当範囲とチームBの担当範囲など)を、特定のユーザーやパスワードを知っている人だけが編集できるように設定する機能です。
「範囲の編集を許可」ダイアログボックスを開く
「校閲」タブの「変更」グループにある「範囲の編集を許可」をクリックします。
新しい範囲を追加する
「範囲の編集を許可」ダイアログボックスが開いたら、「新規」ボタンをクリックします。
範囲のタイトルと参照範囲、パスワードを設定する
「新しい範囲」ダイアログボックスが開くので、
- タイトル:分かりやすい名前を付けます(例:チームA担当箇所)
- 参照範囲:編集を許可したい範囲を選択します。
- パスワード:その範囲を編集できるパスワードを設定します。
設定したら「OK」をクリックします。複数の範囲を設定したい場合は、この作業を繰り返します。
シートを保護する
範囲の設定が終わったら、「シートの保護」ボタンをクリックして、シート全体を保護します。
この際、「このシートのすべてのユーザーに許可する操作」で「ロックされたセルの選択」のチェックを外しておくと、編集権限のないユーザーがうっかり触ることを防げます。
この機能を使えば、よりきめ細やかなアクセス権限の設定が可能になります。部署ごとや担当者ごとに編集できる範囲を分けたい場合に非常に役立ちますよ。
まとめ:これでExcel作業がもっとスムーズに!
今回は、Excelで特定のセルだけ編集権限を設定する方法についてご紹介しました。
- セルの書式設定で「ロック」を解除
- 「シートの保護」でロックされたセルを保護
この2つのステップで、「うっかり編集」や「意図しない変更」から大切なデータを守ることができます。
さらに、応用として「範囲の編集を許可」機能もご紹介しました。あなたのExcel作業の状況に合わせて、ぜひこれらの機能を活用してみてください。
ちょっとした設定で、日々のExcel作業のストレスがぐっと減り、データ管理もより安全になりますよ。ぜひ今日から試してみてくださいね!
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