
転職活動を始めようとすると、必ずぶつかるうちの1つが「退職理由をどう伝えるか」という壁ですよね。
「給与低すぎるので転職活動しています!こんな私いかがでしょうか?」なんてこと面接で言えたらどんなに楽だろうか!と考えている人はいませんか?
他にも「特に不満はないんだけど、なんとなく転職したい」「人間関係でちょっと…」「残業が多くて疲れた」など、正直な気持ちはあるものの、それをそのまま伝えていいのか不安に感じる人も多いのではないでしょうか?
でも、安心してください。
実は、退職理由を伝えることには、たった一つのゴールがあります。そのゴールさえ押さえれば、どんな退職理由でも面接官を納得させることができます。
この記事では、転職を考えている方が、自信を持って面接に臨めるよう、これまで200名ほどの面接を経験した私が面接官が納得する退職理由の伝え方について、具体的な例を交えながら、丁寧に解説していきます。
なぜ退職理由を伝える必要があるの?そのたった一つのゴールとは

そもそも、なぜ面接で退職理由を聞かれるのでしょうか?
それは、面接官が「この人は、うちに入社したら長く結果を出して働き続けてくれるだろうか?」ということを知りたいからです。
つまり、退職理由を伝えることのゴールは「入社後、継続的に長期間働き続けられることを証明する」ことなんです。

このゴールを意識せずに、前職への不満ばかりを伝えてしまうと、面接官は不安に感じてしまいます。
例えば、「残業が多すぎて辞めました」「人間関係が悪くて…」といった理由を正直に伝えたとしましょう。面接官はこう考えます。

このように、ネガティブな理由は、面接官に「また同じ理由で辞めてしまうのでは?」という不安を与えかねません。
だからこそ、伝え方を工夫する必要があるのです。
面接官が「それなら納得!」と思う退職理由を伝える5つの鉄則
面接官が「その理由なら納得できるからウチで働けばいいじゃん!」と思ってもらうためには、5つの鉄則を意識して退職理由を伝えることが重要です。
戦略的に1つに絞る
退職理由をいくつか挙げるのではなく、最も強い理由を1つに絞って伝えましょう。あれもこれもと欲張ると、話の軸がぶれてしまい、面接官に伝わりにくくなります。
志望動機につなげる
退職理由は、あくまで新しい会社への志望動機に繋がる話でなければなりません。
「前職の〇〇という部分に不満があったので、貴社の〇〇という部分に魅力を感じました」というように、過去の経験と未来への希望を繋げましょう。
長期目線で語る
「今の会社を辞めたい」という短期的な理由ではなく、「将来、〇〇な自分になりたい」という長期的なキャリアプランをベースに話しましょう。
そうすることで、面接官はあなたの仕事に対する熱意や計画性を感じ取ることができます。
客観的に伝える
感情的にならず、客観的な事実に基づいて伝えましょう。
例えば、「上司と合わなかった」ではなく、「部署異動の希望がなかなか叶わず、将来のキャリアプランとずれてきてしまった」というように、具体的な事実を伝えると、面接官も理解しやすくなります。

前職でよっぽどのことがあった場合、感情的に話したくなる場合もあるかもしれませんがぐっとこらえて客観的に話すことを心がけましょう!
面接官を経験している私自身は「なるべく本音で話してもらえるように努力しています。」面接官をしている方はほとんどの方がこのようなことを意識しています。
私達面接官はなんでこのようにしているかというと、本音で話す人を落とそうとしているのではなく、「感情的な一瞬の判断で、会社の利益を大きく損なう可能性がある人か?」という判断を面接官はしています。
だからこそ客観的な事実を話せるようになりましょう!
試行錯誤を伝える
「現状を変えるために、自分なりに努力した」という試行錯誤を伝えることで、面接官はあなたの問題解決能力や行動力を評価してくれます。
「部署異動を希望したが難しかった」「業務効率化を提案したが、社内的な事情で実現しなかった」など、具体的なアクションを付け加えることで、説得力が増します。
これらの鉄則を意識することで、面接官は「この人は自分のキャリアを真剣に考えていて、自社でなら長く活躍してくれそうだ」と納得してくれるはずです。
面接官が納得する退職理由の伝え方のポイント

それでは、どのように伝えれば、面接官は「この人なら安心して任せられる」と思ってくれるのでしょうか。
大切なのは、「退職理由」を「転職理由」に変換して伝えることです。
退職理由は「前職を辞めた理由」で、過去の話です。
一方で、転職理由は「なぜ、この会社で働きたいのか」という未来の話です。
この二つをうまく繋げることが、面接突破のカギになります。
具体的な伝え方のポイントを、優先順位が高い順に3つに分けて解説します。
第一優先:キャリアアップ・仕事内容・業界の成長性
最も面接官を納得させやすいのが、キャリアアップや仕事内容、業界の成長性を理由にするパターンです。
これは、あなたの仕事に対する前向きな姿勢をアピールできるため、非常に効果的です。

【伝え方の例】

これらの理由は、ポジティブな未来志向の姿勢をアピールできるため、面接官に好印象を与えやすいです。
第二優先:年収・評価・残業
年収や評価、残業といった待遇面も、もちろん転職理由になり得ます。
ただし、これらを伝える際は、「待遇への不満」ではなく、「正当な評価やワークライフバランスを求めている」という前向きな姿勢で伝えることが重要です。
【伝え方の例】

待遇面を理由にする際は、「なぜその待遇が重要なのか」を明確に伝え、「この会社でならそれが叶う」という熱意をセットで伝えると、面接官の納得度が高まります。

第三優先:人間関係・体調不良
人間関係や体調不良は、よほどの理由がない限り、面接で伝えるのは避けるべきテーマです。
なぜなら、これらを伝えても、面接官の「長く働いてくれるか」という不安を払拭するのが非常に難しいからです。
もし、どうしても伝えなければならない場合は、以下のようにポジティブな側面を強調して伝えましょう。
【伝え方の例】

このように、「人間関係」は「チームで働くことへの意欲」に、「体調不良」は「自己管理能力の高さ」に変換して伝えることで、ネガティブな印象を和らげることができます。
迷ったらこれ!面接官が納得する最強の伝え方フォーマット(SE編)

最後に、これまで解説したポイントを踏まえた、面接官が納得する伝え方フォーマットをご紹介します。
私自身IT系勤務のためIT系だったら何が良いかでフォーマットを作成しました。
- 退職理由(過去)
- 「前職ではSEとして官公庁系のシステム開発(システム実装~受入テスト)の経験を5年積んできましたが、より上流工程に携わった経験をしたいという課題を感じていました。またチームのサブリーダーとして5名の部下のマネジメントにも尽力していた。」
- 転職理由(未来)
- 「そこで、今後は顧客と対話しながらシステム全体を管理できるようになりたくまずは上流工程にチャレンジすることで、さらにキャリアを広げていきたいと考えています。」
- 志望理由(今)
- 「御社の〇〇という事業内容や社風に強く惹かれており、これまでの経験を活かしながら、貴社で〇〇に貢献したいと考えています。また前職での単価が〇〇万円でしたが、より単価を上げて給与を上げていきたいと考えております。」
【例】
「前職では、SEとして官公庁系のシステム開発(システム実装~受入テスト)までの経験をしながら課題解決に尽力してまいりました。しかし、中流から下流工程がメインで上流工程の経験をすることが出来ないことに物足りなさを感じていました。また個人やチームでの単価が上がらないことから年収部分にも物足りなさがありました。そこで、今後はこれまで経験してきたサブリーダーとしてのマネジメント経験や実装~受入テストまでの経験を活かし、御社の〇〇という事業内容に貢献できると考えております。私自身これから上流工程に挑戦したい気持ちがあり、前職から顧客や有識者との積極的なコミュニケーションや関係構築を意識的に行いチーム全体の成果が上がるよう取り組んできました。これまでのSE経験で培った課題解決能力やチームで成果を出す力を活かし、御社に貢献したいと考えております。また前職では平均単価が〇〇万円でしたが上流工程を経験することで〇〇万円で仕事を取り組むことで〇〇万円での年収を希望しています。」

このフォーマットを使えば、退職理由と転職理由、そして志望理由が一貫したストーリーとなり、面接官は「なるほど、この人ならうちで活躍してくれそうだ」と納得してくれるはずです。
頑張ってきたことや取り組みにより具体的な数字が入ると1次面接レベルでは問題ないと思います!
まとめ

転職活動は、自分のキャリアを見つめ直す大切な時間です。退職理由で悩む必要はありません。大切なのは、前向きな姿勢で未来を語ることです。
この記事で解説したポイントを参考に、ぜひ自信を持って面接に臨んでください。
転職活動が成功することを心から応援しています。
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