【人事担当者必見】エンゲージメントを高める!組織と従業員のポジティブな関係を築くには

採用

人事担当者の皆様、こんにちは。

今回は、近年注目度が高まっているエンゲージメントについて、その本質から具体的な向上施策まで、IT企業の人事としての経験も踏まえてお伝えします。

そもそもエンゲージメントって何?

「エンゲージメント」と聞くと、婚約や契約といった意味を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんね。人事・組織の領域では、主に以下の2つの概念で使われています。

エンゲージメントサーベイ従業員エンゲージメント
状態仕事そのものに対するポジティブな心理状態。所属する組織に対するポジティブな心理状態。
構成要素活力(仕事への高いエネルギー)
没頭(仕事への集中)
熟意(仕事からの充実感)
・組織への愛着・誇り
コミットメント(貢献意欲)
・組織に対する自己効力感

簡単に言えば、ワークエンゲージメントは「仕事が好き!」、従業員エンゲージメントは「会社が好き!」という状態に近いイメージです。

ではなぜ今、エンゲージメントがこれほど注目されているのでしょうか?その背景には、「諸外国と比較して日本のエンゲージメントが低い」というショッキングな調査結果があります。特に東アジア圏の中でも日本は最低水準とされ、この状況を打開すべく、国内でもエンゲージメント向上への取り組みが本格化しました。近年では、経済産業省の「人材版伊藤レポート2.0」でも従業員エンゲージメントが取り上げられ、その重要性が一層高まっています。

現状把握が第一歩!エンゲージメントサーベイを活用しよう

エンゲージメントを向上させるためには、まず自社の現状を正確に把握することが不可欠です。そこで役立つのがエンゲージメントサーベイです。

エンゲージメントサーベイには、既存の調査票を利用する方法と、自社で新たに設計する方法があります。どちらを選ぶにしても、重要なのは高い回答率を目指すことです。

最低でも70%、可能であれば90%以上の回答率があれば、より精度の高い実態を把握できます。

また、回答者が「会社に良い印象を与えたい」と考えて本心と異なる回答をしないよう、個人が特定されない形での実施が鉄則です。匿名性を確保することで、社員が安心して率直な意見を伝えられる環境を整えましょう。例としてはアンケート回答する際に氏名欄がなく、大枠の部署と年代だけにするなどして対策しましょう。

課題の特定と分析:どこに問題があるのか?

サーベイを実施したら、次はその結果を徹底的に分析し、具体的な課題を抽出します。

  1. 全体傾向の把握:まずは会社全体のエンゲージメント状況を俯瞰し、どの項目が高いのか、低いのかを確認します。
  2. 区分別の分析:所属部署、年代、勤続年数、資格等級、雇用形態など、様々な区分で状況を確認しましょう。

【区分別分析例】

  1. 特定の部署でエンゲージメントが極端に低い場合: その部署内で何らかの問題が発生している可能性があります。
  2. 20代のエンゲージメントが低く、30代以降に上昇する傾向がある場合: 若手層への改善策を検討する必要があるでしょう。

さらに、カテゴリ間の相関分析決定木分析といったデータマイニング手法も、より深い洞察を得るのに役立ちます。そして、自由記述欄は組織の状況を理解する上で非常に重要な示唆を与えてくれます。社員の生の声が詰まっているので、丹念に読み込み、潜在的な課題や改善のヒントを見つけ出しましょう。社員のネガティブな声を聴くのはうれしいことではないですが、会社をより良くするために必要に応じてしっかり対策を取っていきましょう。

具体的な施策の実施と効果測定

課題が特定できたら、いよいよ具体的な施策の検討と実施です。エンゲージメント向上施策と聞くと、人事制度の見直しやコミュニケーション活性化を思い浮かべる方も多いかもしれません。もちろんそれらも重要ですが、施策の範囲は多岐にわたります。

  • 成長機会の提供: タフアサインメント(難易度の高い仕事)の付与やリスキリング支援
  • 情報連携の促進: 情報の可視化による部門間連携の強化
  • 自社理解の促進: 社史の編纂やアルムナイ(退職者)との交流
  • 社会貢献活動の推奨: プロボノ(専門スキルを活かした社会貢献)や地域貢献活動

など、様々な角度から施策を検討できます。

これらの施策を推進するにあたっては、人事部門だけで完結するものではありません。エンゲージメント向上は全社的な取り組みとなるため、他部門との連携が不可欠です。部門最適に陥らないよう、経営企画部や総務部、情報システム部などからメンバーを集めた専門チームを立ち上げることも有効です。また、所管部門がない施策については、別途ワーキンググループを組成して推進する方法も考えられます。人数規模が大きければ専門チームを立ち上げることの可能性が高まりますし、人数が少ないようでしたら社長直下や経営企画直下で専門チームを立ち上げる場合が多いです。

エンゲージメント向上は、すぐに目に見える結果が出にくい取り組みです。だからこそ、定期的な効果測定が重要になります。一般的には年1回程度の頻度でエンゲージメントサーベイを実施し、前回のサーベイ結果と比較しながら施策の有効性を検証していくサイクルを確立しましょう。

(※補足:エンゲージメントサーベイとは別に、より短いスパンで社員の意識を調査する「パルスサーベイ」という手法もあります。こちらは毎日や週に1回といった高頻度で実施されることもあります。)

エンゲージメントサーベイお勧め10選

最後にエンゲージメントを高めることは、従業員のパフォーマンス向上だけでなく、組織全体の生産性向上、ひいては企業価値の向上にも繋がります。貴社でもぜひ、エンゲージメント向上に向けて一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。筆者が感じるエンゲージメントサーベイを取り扱っている企業のお勧め10選です。

総合型(大手)

  • 株式会社カオナビ
  • 株式会社HRBrain
  • jinjer株式会社
  • 株式会社SmartHR
  • 株式会社プラスアルファ

特化型

  • リアルワン株式会社
  • 株式会社アトラエ
  • バヅクリ株式会社
  • 株式会社リーディングマーク
  • 株式会社OKAN

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