【エクセル時短テク】「トリム参照」を使いこなしてデータ整形マスターになろう!~”.:.”って何??~

Excel術

「トリム参照」という言葉をエクセル関連のSNSや記事で見かけたことはありませんか?

「何だか難しそう…」

「どういう時に使うんだろう?」

と思っている方もいるかもしれませんね。

トリム参照は、エクセルのデータ整形作業を劇的に効率化してくれる、とっても便利な機能なんです。

この記事では、エクセル中級者の方から、SNSでトリム参照を見て興味を持ったエクセル初心者の方まで、どなたでも理解できるよう、トリム参照の基本から具体的な使い方、そして実用的な活用例までを分かりやすく解説していきます。

トリム参照をマスターして、あなたもエクセル作業の達人を目指しましょう!

トリム参照ってそもそも何?基本の「キ」から解説!

トリム参照を理解するには、まず「TRIM関数」と「参照」という2つの要素を知る必要があります。

TRIM関数とは?不要な空白を削除する魔法の関数!

TRIM関数は、セル内の文字列から「不要な空白(スペース)」を削除してくれる関数です。

ここで言う「不要な空白」とは、具体的に以下の空白を指します。

  • 文字列の先頭や末尾にある空白
  • 単語間にある複数の空白(単語間の空白は1つだけ残る)

たとえば、あるセルに「商品名A」と入力されていた場合、TRIM関数を使うと「商品名A」のように、文字列の前後にある余計なスペースが取り除かれます。また、「商品 スペース B」のように単語間に複数のスペースがある場合でも、「商品 スペース B」のように単語間のスペースが1つにまとめられます。

なぜこのTRIM関数が重要なのでしょうか?それは、Excelでデータ分析や関数処理を行う際に、目には見えにくい空白が原因でエラーや予期せぬ結果を引き起こすことが非常によくあるからです。

たとえば、

  • VLOOKUP関数で検索しても「#N/A」エラーが出る
  • フィルターをかけても正しく抽出されない
  • COUNTIF関数で数えても正確な結果にならない

といった問題は、実はセル内に余計な空白が潜んでいることが原因であるケースが少なくありません。

TRIM関数は、このような「空白問題」を解決してくれる、非常に頼れる存在です!

TRIM関数の基本的な使い方

TRIM関数の使い方はとってもシンプルです。

=TRIM(文字列)

「文字列」の部分には、空白を削除したいセルを指定します。

例:

以下のデータをExcelのA1セルから入力してみてください。

| 1 | 商品A | =TRIM(A1) をB1に入力 |

| 2 | 品番 123 | =TRIM(A2) をB2に入力 |

| 3 | カテゴリ スペース B | =TRIM(A3) をB3に入力 |

B列には、以下のように空白が削除された結果が表示されます。

  • B1: 商品A
  • B2: 品番 123
  • B3: カテゴリ スペース B

このように、TRIM関数は文字列の前後や単語間の不要な空白をスッキリさせてくれます。

「参照」とは?セルの場所を示すもの!

次に「参照」です。

Excelにおける「参照」とは、簡単に言えば「どのセルの情報を使いますか?」というセルの場所を示す方法のことです。

私たちが普段「A1セル」や「B5セル」と入力しているのも、セルの「参照」にあたります。

参照には大きく分けて2種類あります。

  • 相対参照: 数式をコピーすると、参照しているセルが自動的にずれる参照方法です。
    • 例: A1
  • 絶対参照: 数式をコピーしても、参照しているセルが固定される参照方法です。セルの番地の前に$マークを付けます。
    • 例: $A$1A$1$A1

トリム参照を理解する上で、この「参照」の概念は非常に重要になります。


いよいよ本題!「トリム参照」ってどういうこと?

さて、TRIM関数と参照の基本的な説明が終わったところで、いよいよ「トリム参照」についてです。

トリム参照とは、「TRIM関数とセルの参照を組み合わせた、特定のデータ整形テクニック」を指します。

具体的には、TRIM関数をネスト(入れ子)させて、さらにそれを絶対参照や相対参照と組み合わせることで、より柔軟かつ強力なデータ整形を実現する方法のことを言います。

「いやいや、TRIM関数だけで十分じゃないの?」と思うかもしれません。

しかし、トリム参照を使いこなすことで、TRIM関数単体では難しい、あるいは手間がかかるような複雑なデータ整形も、スマートに処理できるようになります。


トリム参照の実用例!具体的にどう使うの?

ここからは、トリム参照が実際の業務でどのように役立つのか、具体的な例を交えながら解説していきます。

リストの重複チェックを正確にする!

多くの企業で顧客リストや商品リストをExcelで管理していることでしょう。ここでよくあるのが、一見同じデータに見えるのに、なぜか重複として認識されないという問題です。その原因の多くは、データに潜む余計な空白です。

たとえば、以下の顧客リストをExcelのA1セルから入力してみてください。

| 1 | 鈴木 太郎 |

| 2 | 鈴木 太郎 |

| 3 | 鈴木 太郎 |

| 4 | 田中 花子 |

| 5 | 田中 花子 |

鈴木 太郎
鈴木 太郎
鈴木 太郎
田中 花子
田中 花子

このリストで「鈴木 太郎」を重複として扱いたいのに、A1、A2、A3はそれぞれ別の文字列と認識されてしまいます。

ここでトリム参照の出番です!

手順:

  • B列に、A列のデータをTRIM関数で整形した列を作成します。
    • B1セルに以下の数式を入力し、B5セルまでフィルコピーしてください。

=TRIM(A1)

B列は以下のようになります。

| 1 | 鈴木 太郎 | 鈴木 太郎 |

| 2 | 鈴木 太郎 | 鈴木 太郎 |

| 3 | 鈴木 太郎 | 鈴木 太郎 |

| 4 | 田中 花子 | 田中 花子 |

| 5 | 田中 花子 | 田中 花子 |

  • 次に、この整形されたB列を使って重複をチェックします。たとえば、重複しているセルに色を付けるには、条件付き書式が便利です。
    • B列全体(B1:B5)を選択します。
    • 「ホーム」タブ → 「条件付き書式」→ 「セルの強調表示ルール」→ 「重複する値」を選択します。
    • 「OK」をクリックすると、B列の「鈴木 太郎」と「田中 花子」が正しく重複として強調表示されます。

ポイント: この例では、まずTRIM関数で空白を削除した列を作成し、その整形後の列を使って作業を進めました。これがトリム参照の基本的な考え方です。

VLOOKUP関数で正確にデータを取得する!

VLOOKUP関数はExcelで最も使われる関数の一つですが、検索値や検索範囲のデータに空白が含まれていると、正しく検索できないことがあります。

たとえば、以下のデータをそれぞれ新しいシート(Sheet1、Sheet2)に作成してください。

商品マスター (Sheet1)

Sheet1のA1セルから入力します。

商品コード商品名
A001 テレビ
B002冷蔵庫
C003洗濯機

検索したいデータ (Sheet2)

Sheet2のA1セルから入力します。

検索コード商品名
A001
C003

Sheet2のB列に、Sheet1の商品名を取得したい場合を考えます。

=VLOOKUP(A2,Sheet1!A:B,2,FALSE)

と入力すると、Sheet2のA2セルにあるA001とSheet1のA2セルにあるA001は、空白の有無で異なる文字列と認識されるため、正しい商品名(テレビ)を取得できません。

ここでトリム参照を応用します。

解決策:作業列を使う!

Excelのバージョンに関わらず確実で理解しやすいのは、やはり「作業列」を使う方法です。

手順:

  • 商品マスター (Sheet1) に整形用の作業列を追加します。
    • Sheet1のC列に「整形後商品コード」という見出しを追加します(C1セル)。C2セルに以下の数式を入力し、C4セルまでフィルコピーします。

=TRIM(A2)

商品マスター (Sheet1) – 作業列追加後

商品コード商品名整形後商品コード
A001 テレビA001
B002冷蔵庫B002
C003洗濯機C003
  • 検索したいデータ (Sheet2) のVLOOKUP関数を修正します。
    • Sheet2のB2セルに、以下の数式を入力し、B3セルまでフィルコピーします。

=VLOOKUP(TRIM(A2),Sheet1!C:B,2,FALSE)

  • =VLOOKUP(TRIM(A2),Sheet1!C:B,2,FALSE) B列には、以下のように正しい商品名が表示されます。
検索コード商品名
A001テレビ
C003洗濯機

これで、Sheet2のA列(TRIMで空白除去後)と、Sheet1のC列(TRIMで空白除去後)を比較し、正しい商品名を取得できます。

この作業列を使う方法は、複雑な関数をネストするよりも視覚的に分かりやすく、初心者の方にもおすすめです。

文字列結合時の不要なスペースをなくす!

複数のセルに入力された文字列を結合する際に、セルごとにスペースの有無がバラバラで、結合後に不格好なスペースができてしまうことがあります。

たとえば、以下の住所データをExcelのA1セルから入力してみてください。

都道府県市区町村番地建物名
東京都新宿区 1-2-3 〇〇ビル
神奈川県横浜市4-5-6 △△マンション

これらをCONCATENATE関数&演算子で結合すると、不要なスペースがそのまま残ってしまいます。

=A2&B2&C2&D2 をE2セルに入力すると、東京都 新宿区 1-2-3 〇〇ビル のように、新宿区の後やビル名の後に不要な空白が残ります。

解決策:結合する前にTRIM関数で整形する!

各セルを結合する前にTRIM関数で整形することで、きれいに結合できます。

E2セルに以下の数式を入力し、E3セルまでフィルコピーしてください。

=TRIM(A2)&TRIM(B2)&TRIM(C2)&TRIM(D2)

E列には、以下のように不要な空白が取り除かれ、スッキリとした住所が完成します。

  • E2: 東京都新宿区1-2-3〇〇ビル
  • E3: 神奈川県横浜市4-5-6△△マンション

データ入力規則で不正な空白入力を防ぐ!

Excelでデータ入力を行う際、ユーザーが意図せず空白を先頭や末尾に入れてしまうことがあります。これを未然に防ぐためにもトリム参照が役立ちます。

たとえば、商品コードをA列に入力するとします。商品コードには余計な空白が入らないようにしたい場合、データ入力規則で制限をかけることができます。

手順:

  1. A列(商品コードを入力する範囲、例: A2:A100)を選択します。
  2. 「データ」タブ → 「データの入力規則」をクリックします。
  3. 「設定」タブの「入力値の種類」で「ユーザー設定」を選択します。
  4. 「数式」の欄に、以下のトリム参照を使った数式を入力します。 Excel=A2=TRIM(A2)
    • この数式は、「A2セルに入力された値が、TRIM関数で整形されたA2セルの値と等しい」場合にTRUEを返します。つまり、A2セルの先頭や末尾に空白があるとFALSEとなり、入力規則に違反することになります。
    • 注意: A2は、選択範囲の先頭セルに合わせてください。たとえば、A1から選択した場合は=A1=TRIM(A1)となります。
  5. 「エラーメッセージ」タブに切り替え、エラーが発生した際に表示するメッセージを設定します。
    • 「スタイル」を「停止」に設定します。
    • 「タイトル」: 入力エラー (例)
    • 「エラーメッセージ」: 先頭や末尾に空白が入っています。削除してください。 (例)
    • 「OK」をクリックします。

これで、A列に空白を含む商品コードが入力されそうになると、設定したエラーメッセージが表示され、不正な入力が防げます。


“:”と”.”のトリムの使い方~”.:.”の使い方~

下記のようなスーパーの商品一覧があったとします。重複があります。

ここで重複をなくした商品を検索したいとします。

No商品
1牛乳
2
3食パン
4コメ
5
6ティッシュ
7洗剤
8シャンプー
9リンゴ
10バナナ
11牛乳
12鶏もも肉
13豚バラ肉
14牛こま切れ肉
15
16醤油
17味噌
18砂糖
19
20食パン

重複なしで検索するためにはUNIQUE関数を使用します。下記をD列に記載してみます。

=UNIQUE(B:B)

すると列全体を選択してしまったため、空白セルが1つの値として選択されてしまいました。※0が表示されてしまっています。

ここでトリムしていきましょう!最後に”0″があるため下記関数を入力してみましょう!

=UNIQUE(B:.B)

すると!

下記のように”0″が表示されなくなりました!

先頭行に”0″が表示されている場合、下記の関数を使用して確認してみてください!

=UNIQUE(B.:B)

さらにさらに、先頭行を消したら最後に”0″が出てしまうこともあるかもしれません。。

そんな時は、組み合わせ技で下記のように入力してみると”0″が消えます!

=UNIQUE(B.:.B)

トリム参照を使いこなすためのヒントと注意点

トリム参照を効果的に活用するために、いくつかのヒントと注意点があります。

ヒント:TRIM関数だけじゃない!他の整形関数との組み合わせ

トリム参照はTRIM関数に限定されるものではありません。状況に応じて、他の文字列操作関数と組み合わせることで、さらに強力なデータ整形が可能になります。

  • CLEAN関数: 印刷できない文字(改行コードなど)を削除します。
  • SUBSTITUTE関数: 特定の文字を別の文字に置換します。たとえば、全角スペースを半角スペースに統一したい場合などに使えます。
  • LEN関数: 文字列の長さを返します。TRIM関数を使った後と使う前でLEN関数を比較すると、どれだけ空白が削除されたか確認できます。
  • FIND/SEARCH関数: 特定の文字の位置を検索します。

これらの関数とTRIM関数を組み合わせることで、より複雑なデータ整形ニーズにも対応できるようになります。

注意点:データ量が膨大な場合の処理速度

TRIM関数やその他の文字列操作関数を大量のデータに適用する場合、Excelの処理速度が低下する可能性があります。

作業列の活用: 大量のデータに対してTRIM関数を適用する場合は、元のデータを直接上書きするのではなく、整形後のデータを別の作業列に作成することをおすすめします。これにより、元のデータを保持しつつ、必要に応じて整形後のデータを利用できます。

必要な範囲に限定して適用: 必要のないセルにまで関数を適用しないように注意しましょう。

最終的に値貼り付け: 整形作業が完了したら、関数の結果を「値貼り付け」することで、ファイルの容量を減らし、処理速度の向上に繋がります。


まとめ:トリム参照でエクセル作業をスマートに!

いかがでしたでしょうか?Excelの「トリム参照」は、TRIM関数とセルの参照を組み合わせることで、目に見えない空白によるエラーや不便さを解消し、データ整形作業を劇的に効率化する強力なテクニックです。

この記事で紹介した具体的な使用例を参考に、ぜひあなたのExcel作業にトリム参照を取り入れてみてください。

  • 重複チェックの精度向上
  • VLOOKUP関数などの検索関数の正確性確保
  • 文字列結合時の見た目の改善
  • データ入力時のエラー防止

これらの課題は、トリム参照を使いこなすことで簡単に解決できるはずです。最初は少し難しく感じるかもしれませんが、実際に手を動かして試してみることで、その便利さを実感できるでしょう。

データ整形はExcel作業の基本であり、最も時間のかかる作業の一つです。トリム参照をマスターして、あなたも「データ整形マスター」の称号を手に入れ、もっとスマートにExcelを使いこなしましょう!

コメント

タイトルとURLをコピーしました